■■ Weekly Fax News 728 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 建設業は社会保険の未加入に要注意 」
(2)「 詰めが甘い 」
―――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 建設業は社会保険の未加入に要注意 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
業種を問わず、知識不足や資金不足等、様々な理由により労災保険・
雇用保険の労働保険、健康保険・厚生年金保険の社会保険の未加入企
業は枚挙にいとまがない。
たとえば、労災保険未加入企業において労災事故が発生した場合、
現行法上、その企業は遡及して保険料が徴収されるほか、事故にかか
る保険給付費の40%または100%を徴収される。一般の企業では
わずか3/1000程度の保険料を節約することで受けるペナルティ
は底知れない規模となる。
加入義務があるにもかかわらず未加入の場合、各法において罰則が
ある。発覚した場合には大きなトラブルになりかねないから注意が必
要だ。
先般改正された建設業法施行規則では、11月1日から建設業許可
申請及び更新申請の際に健康保険加入状況を確認することになる。こ
れにより、これまで健康保険に加入義務がありながらも未加入の法人
は、新規許可はおろか、従来認められていた許可の更新すら認められ
ない可能性が高い。
労働保険や社会保険に加入義務のある従業員を雇用しながらも未加
入の企業は、当然に法を犯している。法令遵守ができない企業がビジ
ネスの現場から退場させられるケースは、今後さらに増えるだろう。
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 詰めが甘い 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
「うちの社員は詰めが甘いので困る」これは某不動産会社A社長の
悩みである。例えば、管理アパートの住人トラブル解決に行って仲裁
した後、同じ問題で再び呼び出されたり、正式な土地売買契約の寸前
に文化財保護規制に気づいたりする。前者は紛争処理の話し合い仲裁
を中途半端で切り上げたり、合意した証拠(合意書を作る場合もある)
を残さなかったりするからである。後者は日頃の慣れた物件と勘違い
し、念のための調査を怠ったりするからである(こんな場所は文化財
保護に関係ないだろうと)。
仕事は、意外に多いのが「念のためにする」職務である。もしそれ
らの一つ二つを怠っても、9割は当面の障害にならないかもしれない。
車点検や建築工事等は、この「念のため」にする作業が非常に多い。
「多分大丈夫」と言う一つの手抜きが重大な事故になることが珍しく
ない。テレビ等でマラソン大会を見ても、真剣勝負は後半、特に最後
の1割の区間が苦しく且つ決め手だと思う。同様に、仕事も全般順調
に進んで、あと一息と思って気を抜くと終了間際が危ない。『論語』
(金谷治訳注、岩波文庫参照)に、「未だ一簣(き)をなさざる」
(土で山を作る時、あと1もっこのところで止める)とあるが、最後
の詰めが甘いと完成を見ないで終わることになる。