■■ Weekly Fax News 729 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 最低賃金771円に 」
(2)「 伝記と創業意識の向上 」
―――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 最低賃金771円に 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
2012年度の県最低賃金について、埼玉地方最低賃金審議会は8
日、11年度より12円増の「時間額771円」に引き上げるべきと
する答申を安藤よし子埼玉労働局長に行った。答申に基づく労働局長
の最終決定を経て、10月1日から同賃金が適用される見通し。これ
により、最低賃金で働いた場合の収入が生活保護の給付水準を下回る
「逆転現象」は解消する。
最低賃金は地域の物価や賃金事情を参考に都道府県ごとに決まる。
11年度の全国平均は時給737円。埼玉は759円で東京の837
円、神奈川の836円、大阪の786円に次ぐ全国4位の値だが、生
活保護の給付水準を12円下回っていた。
先月末にあった中央最低賃金審議会の小委員会で、12年度の地域
別最低賃金の引上げ幅を全国平均で7円増の744円とする目安を決
めた。埼玉の賃上げ額の目安は6~12円。これを基に県内の労使関
係者らが加わる埼玉地方最低賃金審議会で上昇額を協議した結果、経
済情勢や生活保護給付水準などを考慮し12円増でまとまった。09
年度の上昇額は13円、10年度は15円、11年度は9円だった。
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 伝記と創業意識の向上 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
二宮金次郎(尊徳)の伝記には、菜種を蒔いたり節約の工夫をした
りして、少年の頃から読書や種銭作りに励んだことが紹介されている。
このような伝記を読んで励めば、平等な天地の恩恵によって二宮金次
郎のような事業が自分にもできるのではないかという意識が芽生える
かもしれない。エジソンや野口英世等の伝記が盛んに読まれるのも、
「あの人と同じようなことが努力次第で自分にも可能なのではなかろ
うか」と言う思いがあるようだ。事業者に創業や進路の動機を聞くと、
伝記(又は体験記等)によってヒントを得たものが多い。現在、小中
学校と商工団体等が連携して創業体験やマネジメント(金融・経理・
仕入・販売・接客法等)の指導が各地で実施されている。主催者の意
図を想像すれば、人生の早いうちに経済の仕組みを習得させて創業意
識を向上させようとするものであろう。後継者育成策の一環として現
職の事業者から歓迎され、地域活動としてマスコミが積極的に取り上
げる話題にもなっている。
心配な事は、経済観念や創業意識の低い時期に、このような教育を
して伝記等から得る少年らしい将来の夢や進路を奪わないかである
(「創業は辛い」)。新しい教育に過大な効果を求めすぎれば、時に
弊害や失望が伴うことを留意しなければならない。