■■ Weekly Fax News 730 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 労働契約法改正へ ― 5年超労働者は無期限雇用 」
(2)「 風邪を治すコツのように 」
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◆「 労働契約法改正へ ― 5年超労働者は無期限雇用 」◆
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労働契約法改正案が成立した。この改正は有期契約労働者の待遇改
善を狙ったもので、一定の要件を満たした場合、有期契約から無期雇
用契約へ転換しなければならなくなる。
これまで、有期雇用契約に関しては1回の契約期間が原則として3
年以内と定められていたが、契約を更新することで事実上の常用雇用
となっていたケースも少なくない。一方で、契約の更新をしない場合
でも、雇い止めであり解雇ではないため、企業としては景気動向や事
業内容によって柔軟に配置できる労働力として使い勝手がよかったの
も事実だ。改正により、同じ職場で5年を超えて働いた場合、本人の
希望に応じて無期限の雇用に転換することが企業側に義務づけられた。
労働者側にとっては突然の雇い止めにより、生活の根幹を揺るがせら
れる懸念が減少する点がメリットだが、企業としては柔軟な労働力を
失う点ではデメリットだ。改正法施行後は、長期間働く意思のある有
期契約労働者を重用な戦力と位置づけるのか、または5年超とならな
い期間のみのテンポラリーな労働力と位置づけるのか、人事戦略が問
われるだろう。本改正は2013年度中に施行が予定されており、そ
こから5年超となる2018年中に最初の選択を迫られることになる。
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◆「 風邪を治すコツのように 」◆
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年に何回か誰でも罹るのが風邪であるが、定期的に風邪を引いてい
るうちは、むしろ大病する人が少ないような気がする。大病に対する
抵抗力があるから風邪を引くのかもしれない。しかし、漠然と繰り返
し風邪を引き続けることも困ることである。
商売も年に何回か、難易様々な困ったことが起こるものである。風
邪と同様に、その解決の難易度や経営への影響度等は区々であるが大
抵は無事元に戻り、日常は経験出来ないようなノウハウを得たり思わ
ぬ人と知り合ったりすることもある。
注意を要するのは、自分の商売に特別な問題は無いと油断している
場合である。一見、自信のある経営をしているように見えるが、経営
の赤信号に気づいていないだけかもしれない。風邪を引いた自覚が無
く、深刻な状況に陥るようなものである。
整体の大家、野口晴哉氏の著書に『風邪の効用』(筑摩書房発行)
がある。「私は、風邪は病気というよりも、風邪自体が治療行為では
なかろうかと考えている。ただ風邪を完全に経過しないで治してしま
うことばかり考えるから、ふだんの体の弱いところをそのまま残して、
また風邪を引く。」商売に何か支障が出たら、その問題解決だけで終
わりとせず、ぜひ会社の体質や方針等に問題が無いかを追求する必要
がある。