■■ Weekly Fax News 734 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 10月1日から施行される ― 改正派遣法 」
(2)「 失敗からの気付き ― 物流経費改善の事例 」
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◆「 10月1日から施行される ― 改正派遣法 」◆
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労働者派遣法が改正され、10月1日から施行される。
大きな改正点は、
(1)日雇い派遣の原則禁止
(2)グループ企業派遣の8割規制
(3)離職後1年以内の労働者を元の勤務先に派遣禁止
(4)労働者派遣にかかるマージン率の公表
(5)派遣先都合による契約解除に対する措置
(6)均等待遇の確保 などとなる。
派遣労働者を受け入れる中小企業にとって、特に影響が大きい点は
(1)、(3)、(5)だろう。(1)により30日以内の派遣雇用
契約(日雇い派遣)は原則禁止となる。短期派遣をしていた企業は代
替措置を講ずる必要がある。(3)により退職させてからすぐに同一
人を派遣労働者として受け入れることができなくなる。(5)により、
派遣先企業都合による契約解除に対して、派遣労働者の新たな就業機
会の確保や休業手当などの支払いに要する費用の負担が必要となる。
このほか、平成27年10月1日施行だが、労働契約申込みみなし制
度も導入される。これは、派遣先が違法派遣と知りながら派遣労働者
を受け入れている場合、違法状態が発生した時点において、派遣先が
直接雇用の申込みをしたものとみなす制度だ。今後も継続して改正が
予想されるので、適法な派遣契約が求められる。
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◆「 失敗からの気付き ― 物流経費改善の事例 」◆
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失敗と思ったことが意外な成功をおさめることがあるものである。
X社(病院・高齢者施設・飲食店等の食材卸業)では10人のセール
スドライバーが毎日定刻に配送している。ある日、A社員がいつもの
配送ルートで仕事を始めたところ、幹線道路工事の為に(A社員は予
告を忘れていた)いつもと全く違う道に大きく迂回させられ、いつも
と逆の順路で配送した。初めての経験に緊張の一日であった。ところ
が、遠回りであったがいつもの道路より流れが順調であった。社長に
この失態を報告したところ、社長が配送ルートに関心を持ち、A社員
の経験が物流の大きな改革の契機となった。X社では物流コストが採
算を圧迫し、経費節減策を必死に探っていたところだった。改善策の
一つとして、A社員の報告を契機に、配送ルートと社員の担当エリア
を見直すことにした。その結果、不十分ながら次のようなことが見え
てきた。
(1)同じルートで配送してきたが、道路条件(規制・渋滞等)が年
々変化していた。(2)配送距離を基準に営業先選定や配送ルート設
計をしてきたが、配送効率は距離ではなく移動時間に左右される。
(3)顧客限度数は移動距離の合計にあると考えてきたが、ルートの
工夫によって増やせるとわかった(売上高が増える)。