■■ Weekly Fax News 746 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 企業の9割が新卒者を採用 ― 経済同友会のアンケート調査 」
(2)「 家族経営後継者の素養 」
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◆「 企業の9割が新卒者を採用 ― 経済同友会のアンケート調査 」◆
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経済同友会は企業の採用と教育についてアンケート調査を行い、そ
の結果を公表した。それによると、直近1年間に新卒者を「採用した」
企業が89.1%に上り、調査対象となった企業のほぼ9割が新卒者
を採用したことがわかった。「採用活動を行ったが、採用には至って
いない」企業は1.6%に過ぎなかった。一方、「採用活動を行って
いない」企業は7.8%だった。新卒採用にあたっては、学歴にかか
わらず「面接」(1位)が圧倒的に重視される。「学校での成績」や
「出身校」を重視する企業はほとんどなかった。これは前回22年の
調査結果と同じ。また、学歴にかかわらず「熱意・意欲」(1位)、
「行動力・実行力」、「チームワーク力(コミュニケーション能力、
協調性等)」(2~4位)が重視されている。これも前回の調査結果
と同じ。直近1年間に新卒者に対して研修(OJTを含まない)を実
施した企業は97.0%で、新卒者を採用した企業のほとんどが研修
を行っている。研修の目的は、「社会人としての自覚の向上」(1位)、
「基礎的なビジネスマナー・スキルの習得」(2位)、「自社の理念・
ビジョンの理解」(3位)を挙げる企業が多かった。経済同友会は同
様の調査を過去に6回実施した。今回は最新の状況変化を踏まえ、調
査項目を追加したとしている。
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◆「 家族経営後継者の素養 」◆
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全国各地の公的機関や民間指導会社等で後継者教育が盛んである。同
じようなプログラムで研修が行われているが、よりスムーズな事業承
継への実効性は少ないようだ。中小企業の場合は、その多くで社長の
親族が家族経営の後継者として事業を引き継ぐ。学校を終えてすぐ父
親の会社に入ることもあれば、他所の会社に何年か勤務した後で父親
の会社に入ることもある。その類型は挙げればきりがないが、要は親
族の血縁によって社長の地位を得ることになる。一般の社員から見れ
ば不公平な処遇であり、後継者に対する評価は特別に厳しいものとな
る。後継者の力量が会社の将来を決定し、同時に自分の運命にも影響
することを知っているからだ。後継者の営業力・技術力・知識・経験
は豊富か、現社長との関係は良好か、他人に対する思いやりや感性等
人格レベルが高いか等々、人間性や経営的な素養を持っているかを問
われるのである。後継者教育は、経営知識や技術の伝承に偏らず、人
間的な素養を高められるような体制が求められる。理想を言えば、後
継者が尊敬出来る「師」を見つけ、将来の経営者に相応しい素養をし
っかり身につけることである。「師」は、自社の役員や社員、尊敬す
る先輩や経営指導者、取引先の経営者、偶然出会った啓発書籍等で良
い。