■■ Weekly Fax News 747 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 震災に係る資産評価の取扱い ― 評価損計上が可能 」
(2)「 協会けんぽの財政支援はどうなる? 」
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◆「 震災に係る資産評価の取扱い ― 評価損計上が可能 」◆
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国税庁は東日本大震災発生後、災害に関する法人税、消費税及び源
泉所得税の取扱いついてFAQの形で取りまとめていたが、このほど
以下の2項目を追加した。
Q4-2.原発事故による被災資産の評価損:原発事故による賠償対
象区域内に保有する土地・建物について、税務上の評価損を計上する
ことができるか否か。
A.法人の有する固定資産の時価が、災害による著しい損害、所在す
る場所の状況の著しい変化などの物損等の事実が生じたことにより、
帳簿価額を下回ることとなった場合には、その差額を損金経理するこ
とによって評価損を計上し損金の額に算入することができる。当該土
地・建物についても、これが適用される。
Q4-3.原発事故により被災した減価償却資産の有姿除却:原発事
故による賠償対象区域内に保有する建物を現状のまま除却処理するこ
ととした場合、税務上の除却損の計上が認められるか否か。
A.使用を禁止し、今後通常の方法により事業の用に供する可能性が
ないと認められる固定資産については、その帳簿価額から処分見込価
額を控除した金額を除却損として損金の額に算入することができる。
当該建物にも、これが適用されることになる。
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◆「 協会けんぽの財政支援はどうなる? 」◆
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協会けんぽの財政状況は、依然として厳しい状態が続いている。毎
年の恒例行事になりつつある、保険料率引上げは来年度も不可避では
ないかとささやかれている昨今、現在行われている協会けんぽへの財
政上の特例支援策が今年度末で切れるため、さらなる財政悪化と保険
料率引上げが懸念されている。厚生労働省では、協会けんぽの保険料
率を維持するために、期限切れとなる財政支援特例措置を2年程度延
長する方針を固めている。厚生労働相の 諮問機関である社会保障審
議会医療保険部会においても特例措置延長方針は大筋一致しており、
長期的な支援策は社会保障制度改革国民会議の結論を踏まえて決める
ことになっている。しかし、協会けんぽに対してのみ財政支援を継続
的に行うことには異論もある。本来であれば、保険料収入とそれに伴
う給付のバランスを改善し、財政を健全化することが原則であり、そ
れができないのであれば、保険者としての体を成していないというの
が現実だからだ。運営資金が足りないからといって、外部からお金を
投入することをいつまでも続けても抜本的な改善には繋がらない。場
当たり的な対応ではなく、長期的視点に立った社会保障全体を見据え
た構造的改革が必要となっていると言えるだろう。