■■ Weekly Fax News 751 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 女性労働者活用と経営効果 」
(2)「 『勢い』に求める 」
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◆「 女性労働者活用と経営効果 」◆
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少子高齢化を見据え、今後の人事政策上、いかに労働力を確保して
いくかが大きな課題となっている。
女性労働力は多少改善されたとはいえ、いまだにM字カーブを描く
状態が続いている。今後は今まで以上に、女性の労働力を社会的に維
持・活用することが必要となることが予想されている。先般、日本政
策金融公庫が公表した資料によると、女性役員・管理職がいる経営ほ
ど売上・収益力が高まる傾向があることがわかった。この調査は公庫
が融資先農業者を対象に行ったもので、対象業種が限定されているも
のの、一般的にも有効な資料となるだろう。女性の役員・管理職がい
る経営では、融資後3年間で売上高が23.0%上昇したのに対し、
いない場合では9.4%にとどまっている。また、売上高利益率では、
前者が2%上昇したのに対し、後者ではほぼ横ばいとなった。女性労
働者の活用には、男女労働者を問わず、育児や介護に対するしっかり
とした制度や規則も必要となる。社内のインフラを整えることがまず
は前提だろう。なお、公庫の面接調査では、女性経営者の特徴として、
経営の細部に気を配るきめ細やかさを指摘する声があったそうだ。男
性経営者にはきめ細やかさが求められているのかもしれない。
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◆「 『勢い』に求める 」◆
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時代とともに流行る産業は大きく変化するが、社会の風習や経済情
勢の変化も速くなって、時流に合った商売や戦略の選択が難しくなっ
ている。マスコミで企業の寿命30年説等が出たことがあるが、今現
在順調な企業と雖も数年後までの保障はない。
商売の成果は、どんなに奮闘しても報酬が少ない場合もあれば、月
並みな努力で大きな報酬が得られる場合がある。一般には「時勢」と
か「経営力の先見性」等と言われるが、具体的には流行る産業の勢い
をしっかり観察して、その勢いに適合した経営戦略を選ぶ先見力に掛
かっているようだ。
例えば、店舗のチェーン展開をする場合、その業種業態に勢いがあ
れば立地条件や採算性等を厳しく制限しないでより多くの店舗をより
速く出す戦略を採ることがある。産業に勢いがあって、担当させる人
材の採用に誤りがなければ、大抵勝利するものだ。反対に、このよう
な勢いがない場合は、経営の内側を守る堅実な経営戦略を選択せざる
を得ない。
勢いのある業務であるか否か(又は勢いのある経営戦略であるか否
か)を見極めるコツは、日頃からマスコミ媒体への発表頻度等を観察
したり、商店やデパート等で商品の品揃えや流行商品の変化を観察し
たりする心掛けが大切である。