■■ Weekly Fax News 754 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 H25年度税制改正大綱 ― 中小企業税制 」
(2)「 失敗体験の教訓 」
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◆「 H25年度税制改正大綱 ― 中小企業税制 」◆
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中小企業関連の平成25年度税制改正で、既報以外の改正点を挙げ
てみる。研究開発税制等好条件の内容と期待される。
【商業・サービス業・農林水産業活性化税制の創設】上記の産業を営
む中小企業等が、一定額以上の建物附属設備又は器具・備品を取得し
た場合に、取得価格の30%の特別償却又は7%の税額控除を認める。
投資に際しては認定経営革新等支援機関などのアドバイスを踏まえ、
企業の活性化に資する設備を選定するものとする。
【中小法人の交際費課税の特例の拡充】中小企業が支出する800万
円以下の交際費を、全額損金算入可とする。
【研究開発税制の拡充】
○総額型の控除上限を、法人税額の30%まで引き上げる。
(適用:2年間)
○特別試験研究費(控除率12%)の範囲に、一定の企業間の共同研
究等を追加する。
【グリーン投資税制】
○太陽光・風力発電設備の即時償却制度の対象にコジェネレーション
設備を追加、また電気自動車等の30%特別償却制度の対象に中小
水力発電設備、定置用蓄電設備、LED照明などの省エネ設備等を
追加。いずれも、適用期間を延長する。
○コジェネレーション設備に係る固定資産税について、課税標準を最
初の3年間、5/6に軽減する。
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◆「 失敗体験の教訓 」◆
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知人のA氏(65歳)は、15年前から和風居酒屋を3店経営して
いるが、これまでに創業と廃業を4回している。最初の創業が35歳
の時だったから、経営がおよそ5年毎に行き詰まった。居酒屋を開業
してA氏と知り合った当初、「随分、いろいろと失敗を繰り返しまし
たね」と言ったところ、A氏は「私は経営の失敗法を繰り返し学んだ
だけだよ。だから、今の商売は難しい問題に出会っても平気だよ」と、
平常心で応えた。その後、A氏から「失敗の教訓」を聞いた。それは
大体次の如くである。(1)他人から持ち込まれた旨い話を鵜呑みに
始めた場合、最初は順調でも何かの問題に出会うと自分自身で解決で
きないものだ。(2)わずかな資金繰りに困って最初は銀行以外の怪
しい金で工面しているが、やがて百計が尽きて終わりになる。(3)
実は、商売は調子良い時が危ない。仲間や社員等から頼りにされて安
易な貸付や借入保証をして、本業の不振以外で廃業したこともある。
A氏の教訓は断片的であるが、全て困窮した体験によって得ており、
研修会などでは習得できないものである。日本では、経営不振で廃業
や倒産をすると信用失墜の回復が難しいと言われる。しかし、法律に
則った整理をすれば、その後の出直しは経験を活かす本人の心構え次
第かもしれない。