■■ Weekly Fax News 757 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 共通番号法案、自公両党了承 ― 政府、今国会提出へ 」
(2)「 物を借りて使う時代 」
―――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 共通番号法案、自公両党了承 ― 政府、今国会提出へ 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
政府はこのほど、社会保障と税の共通番号を新設するマイナンバー
関連法案を3月1日に閣議決定し、今国会に提出する方針を固めた。
法案を既に了承した自民党に続いて、公明党が25日の関係部会の会
議で了承。民主党も自民、公明両党との水面下の調整で同意している
ため、今国会で成立する公算が大きい。番号交付は27年6月、利用
開始は28年1月となる見通しだ。
マイナンバーは、個人や法人に番号を一つずつ割り当て、所得や社
会保障給付、納税実績などの情報を一元的に管理する制度。政府は、
情報の一元管理で事務が効率化できる上、1人の国民が受けている社
会保障サービスを横断的に把握できるようになるため、同じようなサ
ービスの二重給付や不正受給の防止に役立つとしている。また、国と
自治体が別々に把握している住民の情報を突き合わせて所得や資産を
より正確に把握し、脱税を防ぐ効果も期待できる。
法案は、昨年秋の臨時国会で審議されたが、11月の衆院解散で廃
案となった。
民間による共通番号の利用も視野に入れているが、個人の番号につ
いては、制度開始から3年間は行政の利用に限定する。ただし、個人
情報が漏れて所得などのプライバシーが丸裸になる恐れがあるとして、
弁護士団体などが強く反対している。
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 物を借りて使う時代 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
一般に人は物の所有欲があり、所有する必要があるか否かにかかわ
らず、不動産や身の回り品を持っている場合がある。しかし、その取
得資金が不足してくると無理せず所有しないで借りて使うようになる。
従来から個人が借りて使う物と言えば、貸衣装・貸布団・レンタカ
ー・ビデオ等が目立つが、この時代「レンタル業」のメニューには時
代によりたくさんの盛衰があった。例えば、60年前頃まで「貸剃刀
屋」というものがあったそうだ(宮本常一著『民族のふるさと』河出
文庫参照)。「剃刀を民家へ貸しつけ、この剃刀が切れなくなったと
思う頃、刃を立てたものを持って行ってとり替えてくる」というシス
テムであったが、これは安全剃刀の流行で廃れた。
購入に際して高額な資金を必要とする物(家・自動車等)、一時又
は一時期しか必要としない物(ベビーカー・介護用具・冠婚葬祭用品
等)、管理方法や安定所有に不安のある物(貸植木・貸ペット等)は、
景気や流行にも依るがレンタル向き商いになり易い。事業者から見る
と、物を借りて使う生活様式や消費形態の変化は、新たなビジネスの
機会増大(又はレンタル市場の拡大)である。平均所得の人では高額
で容易に購入できないような物であっても、借りて損料を払う支払能
力はあるかもしれない。