■■ Weekly Fax News 759 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)『変化する「正社員以外」― 労働契約にどう対応するか』
(2)「 経費節減と待遇改善 」
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◆『 変化する「正社員以外」― 労働契約にどう対応するか』◆
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政権交代以後、景気低迷による人件費抑制圧力が弱まりつつあるが、
それでも一足飛びの雇用環境の改善とはいかないのが現実だ。
特に中小企業では業績改善が必ずしも進んでいないため、安易に雇
用調整ができない上、福利厚生面で費用のかかる正社員より派遣社員
や契約社員にシフトする傾向に歯止めがかかっていない。
昨秋の派遣法改正に続き、4月には改正労働契約法が施行される。
「正社員以外」の労働者を保護する機運が高まり続けている状況下、
改正の内容についてはしっかり抑えておく必要があるだろう。主な改
正点は、
(1)有期労働契約が繰り返し更新され5年を超えたときは、労働者
の申込みにより無期労働契約に転換できること
(2)正社員と有期労働契約者との間で、期間の定めを理由にした不
合理な相違が認められないこと
(3)一定の場合は使用者による雇い止めが認められないこと、
となる。(3)については昨年から施行されているが、(1)と(2)
は4月1日施行となる。有期契約を繰り返し更新し、事実上期間の定
めのない契約となっている労働者を保護する意味合いもあるこの改正
の主旨を理解しておかないと、後々大きな労使間トラブルにもなりか
ねないので注意が必要だ。
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◆「 経費節減と待遇改善 」◆
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経済のデフレ脱却を目指して、国家の経済戦略としてインフレ政策
が採用されつつある。当然、商品・サービスが上昇すれば、国民の収
入(給料等)が上がらなければ困る。多くの企業は経営改善の柱とし
て、何年間も経費節減(特に人件費)に努力してきた。特に、企業再
生計画や経営革新計画を策定したような中小企業は、役員報酬や従業
員給与の削減による経営改善を計画することが多いので、給与引き上
げを求められても経費上昇にバランスした収益獲得に自信が持てない
のではなかろうか。しかし、経済の潮流が従業員の待遇改善を要請し
ているので、流れに乗れない企業は今後人の確保維持が難しくなるだ
ろう。そこで経費削減策を実施しながら、待遇改善を進める手段を少
し探ってみたい。(1)残業等に悪い習慣(つきあい残業・サービス
残業等)があれば、残業時間の短縮や法律に従った残業賃金の支払を
徹底する(2)各種手当の目的や基準を明確にして整理縮小するとと
もに、予算が浮けば基本給の引き上げに活用する(3)長期的観点に
立って人件費の優先的使途を見直し、社会保険に加入していない企業
は本気で加入を検討する(4)役員報酬と従業員給与の支払割合を検
証し、そのバランスを勘案して従業員への重点配分を検討する(特に
家族経営企業)。