■■ Weekly Fax News 758 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 敵は身内にあり? ― 企業内の不正行為 」
(2)「 社員を信用する基準 」
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◆「 敵は身内にあり? ― 企業内の不正行為 」◆
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企業の不正行為に対する従業員の目が厳しくなっている。
民間企業の調査によると、企業内での不正行為について知った場合、
内部告発すると回答した人は50%以上に達している。一方で、この
うち「匿名なら」と条件をつけている人は40%となっている。告発
内容としては、近年不祥事が相次いでいる経理操作について最も多く
なっている。セクハラやパワハラについても35.7%が告発対象と
なると回答している。残業代の未払い、雇用保険や厚生年金保険にも
未加入などといったケースも告発の危険性があるだろう。現実問題と
して、実名で内部告発を行った者がその後、企業内で不利益な状況に
追い込まれるケースは後を絶たない。そのような場合、今度は不利益
的取扱いがあるとして企業を訴えることも頻発している。不正を告発
された上、従業員に仕返しをする企業というイメージを世間に広めら
れるのは、企業としてはかなり大きな痛手となる。法令違反行為があ
った場合、かなりの高確率で内部告発が起きる時代であることを認識
し、まずは法令違反をなくすこと、さらに一足飛びに外部に告発され
ないように、社内に内部告発についての窓口を設置することなどが求
められているようだ。
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◆「 社員を信用する基準 」◆
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「信用する」と言う中身には不可解な点が多い。まず最も厳しく
「信用すること」を戒めたものとして、性悪説の代表である中国古典
『韓非子』を挙げる。「君主に害となるのは、人を信じることである。
人を信ずればその人に抑えられるのである」(竹内照夫著・篠田幸夫
編、明治書院新書漢文大系参照)。韓非子によれば、禍は内部の家族
や近臣たちを信用することにあると言う。
ところで、ビジネス上で信用するとは、何を基準に決めるのであろ
うか。例えば、銀行が企業を信用するか否かは、貸付金を返す能力が
あるかとか、振出した手形を期日に決済出来るか等で判断している。
また、経営者や上司等が社員を信用するか否かは、性格が好ましいと
か、命令に従順な態度であるか等ではなく、主な要因は業務を遂行し
て期待した業績を挙げたか等に因る。社員の不満に、「上司が信用し
て仕事を任せてくれない」がある。この不満の中身は区々であるが、
ビジネス上の信用とは職務遂行力や目標収益の獲得力等であることを
失念していることもあるようだ。他方、上司が社員を信用する基準が
情緒的であると、従順だけが取り柄の社員を推薦したり、自分と性格
が合う社員ばかりに任せたりするようになる。上に立つ者は、社員を
信用する基準を立てて行動することが大切だ。
次週は休号となります