■■ Weekly Fax News 767 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 個人保証の在り方 ― 中企庁・金融庁が報告書発表 」
(2)「 手に職をつける 」
―――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 個人保証の在り方 ― 中企庁・金融庁が報告書発表 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
近年、個人保証の在り方について見直しの機運が高まる中、中小企
業に対する支援策としての個人保証制度の在り方等について、中小企
業庁と金融庁が共同で、個人保証の契約時および履行時等における課
題を両面において整理し、具体的な政策的出口の検討が報告された。
個人保証の現状は、借り手である中小企業経営者のうち80%超が個
人保証を提供しており、融資慣行として定着している。その弊害とし
て中小企業による健全な事業経営や、金融機関による健全な融資慣行
の構築に対して、本来期待される意欲を阻害し、また保証人の資産に
比して過大な債務負担の要求や、保証履行後も保証債務が残存するこ
となどがある。今後、個人保証の在り方として
(1)企業と経営者等との関係の明確な区分・分離
(2)財務基盤の強化
(3)財務状況の正確な把握、適時適切な情報開示等による経営の透
明性確保、を挙げ、契約時の対応として
○個人保証に依存しない融資の一層の促進
○保証契約の必要性等に関する説明
○適切な保証金の設定
○既存保証契約の適切な見直し、
が挙げられた。また、履行時の対応として
○経営者の経営責任の在り方
○保証債務の履行基準
○保証履行時の保証債務の残存、
が挙げられ、今後の行政のガイドライン策定が求められるとした。
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 手に職をつける 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
江戸時代から明治・大正時代辺りまで、庶民が一生安泰な生活をす
る上で「手に職をつける」は大変有効であった。相当人数が大工・左
官・植木・桶樽・織物・曲げ物・履物等の職人を目指した。これらで
一人前の職人になれば、安定して比較的高い賃金を得られた。また、
世の中の流れがゆったりしていたので、若年時代身につけた技能が途
中で廃れてしまうリスクが低かった。ところが現代はどうであろうか。
手に一つ職を持てば安心かと言えば、30年後も隆盛な職能を一つ選
ぶことは大変困難で、複数の技能や特技等を持たねば安心出来ない。
Aさんは陶器店の後継であったが、学生時代はパソコンに熱中し、
卒業後は窯元に弟子入りして陶芸家を目指した。結局、陶芸家として
はあまり上達しなかったが35歳で陶器店を継いだ。最初は商売熱心
ではなかったが、窯元で知り合った陶芸家の作品をネットに載せて売
ることを思いつき、パソコンの技能と陶芸の経験を活かして今は差別
化された陶器店を経営している。
手に職をつける際には、「何に活用するか」「どんな組織で活かす
か」「どこで使うか」等の職能ビジョンを見定めることが大事である。
また、2分野以上の組合せによって、知識と技能のノウハウが機動性・
補完性を持つような工夫が必要である。