■■ Weekly Fax News 768 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)『 4月は52件と過去最多 ―「金融円滑化法利用後倒産」』
(2)「 計画と達成目標のバランス 」
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◆『 4月は52件と過去最多 ―「金融円滑化法利用後倒産」』◆
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帝国データバンクの集計によると、4月の「金融円滑化法利用後倒
産」が52件判明した。前月比で23.8%、前年同月比では136.
4%の大幅増加だ。
4月はベースでみると、22年10月の51件を上回り、21年1
2月の集計開始以降で最も多い。前年同月比では、比較可能な22年
12月以降29ヵ月連続で前年同月を上回った。「金融円滑化法利用
後倒産」は累計で780件となった。
「金融円滑化法利用後倒産」とは、中小企業金融円滑化法に基づく
貸付条件の変更等を受けていたことが同社の取材で判明した企業倒産
のこと。「金融円滑化法利用後倒産」は、25年に入ってからも増加
傾向が続いている。中小企業金融円滑化法は今年3月に適用期限を迎
えた。同法終了後も、関係省庁主導の経営改善・事業再生支援が続い
ている。また、政府は中小企業金融等のモニタリングに係る副大臣等
会議を開催し、同法期限到来にあたって講じている総合的な対応策が
機能しているかを検証し、監視の目を強めている。ただ、引き続き返
済条件が緩和されている企業の中でも過剰債務を抱えている企業や、
抜本的な経営改善計画を伴わない返済猶予頼みの延命を繰り返してい
る企業は、依然として倒産のリスクが高い、と同社は指摘している。
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◆「 計画と達成目標のバランス 」◆
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決算書を見せて頂いてよく受ける質問に、「うちは計画書通りに売
上が増えているのにどうして経営成績や資金繰りが改善しないのでし
ようか」というものがある。また、経営計画策定支援をする時、いつ
も当惑することがある。例えば、売上目標設定につき過去の実績を分
析したり経営者の考えや目標を聞いたりして数値を提案する場合であ
る。売上目標が前期比5%増であった場合、計画書の数値も5%増で
良いのかという問題である。多くの経営者が言うことは、「5%達成
が絶対だから、計画は10%で良いのではないか。5%増の計画では
5%達成が出来ないのでは」という論理である。経営者の心情は分か
るが、売上規模と現状の人材力、商品力、資金力等のバランスを見落
とすことになるかもしれない。経営者の本音が5%増であった場合、
運良く?計画通り10%増えたとする。一般に経営者は本音規模の売
上に見合う人員、仕入資金、必要設備等しか考えていない。結果、切
に望んでいなかった、「人を増やす」「資金調達に走る」「車両や倉
庫を増やす」等、計画書にない行動をするかもしれない。計画書には
切に思う数値(本音)を掲げなければ達成も難しく、仮に達成出来て
も他の計画(人員・資金・設備等)とのバランスが取れなくなってし
まう危惧がある。