■■ Weekly Fax News 771 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 課長の仕事はマネジメントかプレイヤーか 」
(2)「 百尺竿頭一歩を進める 」
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◆「 課長の仕事はマネジメントかプレイヤーか 」◆
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管理職について明確な定義はないが、一般的には労働者の指揮をす
る立場である。その業務は本来的には労働者の指揮や管理、つまりマ
ネジメント業務であるわけだが、実際にはマネジメントだけが業務に
なることは少ないだろう。
産業能率大学が上場企業における課長についての調査を行ったとこ
ろ、99.2%の課長がマネジメントと実務的なプレイヤーの両方が
自分の業務であると回答している。仕事の半分超がプレイヤーと回答
したのは48.2%となっており、2年前の調査より8.2%増加し
ていることがわかった。企業としては、課長に対してはマネジメント
業務よりもプレイヤーとしての貢献を求める傾向があるようだ。また、
88.8%の課長が悩みを抱えており、「部長がなかなか育たない」、
「業務量が多すぎて余裕がない」、「上司と考え方や意見が合わない」
が上位にランキングされている。興味深いのはプレイヤーの立場に戻
りたいと回答している課長が2年前より約41%増えている点だろう。
上司と部下の板挟みの中間管理職としての苦悩や自分とは異なる価値
観を持つ部下の育成に頭を悩ませる課長も少なくない。自社の社員は、
名刺に刷り込まれた課長の看板が重いと考えてはいないだろうか。
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◆「 百尺竿頭一歩を進める 」◆
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日本の受験生は必死に勉強して高校や大学に入学するが、入試後は
あまり勉強しないと言われる。継続すれば更に発展する能力を中断し
てしまうことを惜しむ声である。同様の現象が企業経営にも見られる。
経営が苦境に陥り、必死に改善策を探って努力した結果やっと立ち直
ったと思ったら安心してしまい、気づいたら元の木阿弥になっていた
ということもある。また古人の言に、「百尺竿頭(ひゃくしゃくかん
とう)一歩を進める」とある。必死に努力して一定の地点に立った場
合はその後の努力が肝心で、築いた基盤を固めることが大事である。
X社(輸入雑貨販売業)は、長年に渡って過大な借入金返済に苦しみ、
2年前に公的支援による経営再生計画に取り組んだ。やがて経営改善
計画が関係金融機関から承認されたが、その時A社長はフト思った。
「計画に沿って運営するだけで良いのだろうか。それは当然として、
この計画を踏み台にして新たな発展を探ったらどうか」と。早速、A
社長を中心に経営研究会を結成、仕入商品の情報や顧客開拓等の勉強
を始めた。また、メンバーが外部研修会に参加したり、研究会に外部
講師を招いたりしている。成果はまだ出ていないが、再生計画を課さ
れた義務と捉えるのではなく、経営発展のチャンスと捉える雰囲気に
なっている。