■■ Weekly Fax News 775 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 綱引きが始まった ― 最低賃金審議 」
(2)「 近づきやすい人か否か 」
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◆「 綱引きが始まった ― 最低賃金審議 」◆
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企業にとっては憂鬱な話題の一つかもしれないが、今年も最低賃金
引上げをめぐる議論が始まった。民主党政権時から最低賃金は引上げ
傾向にあったが、それは現政権でも踏襲されそうだ。
厚生労働省は厚生労働大臣の諮問機関である中央最低賃金審議会を
開催、そこで厚労相は「地域別最低賃金額改定の目安」を諮問するが、
「現下の最低賃金を取り巻く状況を踏まえ、経済財政運営と改革の基
本方針及び日本再興戦略に配意した調査審議を求める」ことが明記さ
れ、さらに厚労相の挨拶では、「今後2%の物価上昇が予測されるが、
それを上回る賃金上昇が必要となる。すべての所得層で賃金上昇と企
業収益の好循環を実現できるよう、最低賃金の引上げに努める」こと
を表明。中小企業支援の必要性にも言及したとはいえ、かなり強いト
ーンで最低賃金引上げを求める内容となった。現在の最低賃金の全国
平均額は749円。平成15年度比較で12.8%増、同20年度比
較でも6.54%増だ。
着実に進む最低賃金引上げに苦しむ中小企業対策が不十分だという
指摘も根強く、生活保護との逆転現象も6都道県で依然として解消さ
れていない。今年の最低賃金引上げはどのように決着するのか、行方
を注視したい。
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◆「 近づきやすい人か否か 」◆
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幕末の村おこしコンサルタント二宮金次郎(尊徳)は、近づきやす
い人ではなかったそうだ。初めて訪問した人は、「仕事が忙しくて」
という口実で門前払いされたようだ。この門前払いに根負けしない人
だけが、話を聞いてもらうことが出来た(参考文献;内村鑑三著『代
表的日本人』岩波文庫等)。飛込み型の営業マン等がよく言うことだ
が、初めてでも訪問しやすい会社(又は、店舗・家庭・個人)と、訪
問が難しい会社がある。当然、前者には訪問者も多く、居心地が良い
ので長居しがちとなる。事業用自動車のセールスをしているA氏は、
むしろ後者のような無愛想で近づき難い会社を避けないようにしてい
る。近づき難い会社は、競争者が避ける為か、過去の経験から判断し
て一度接点が出来ると成約率が高いと言う。会社側から見ると、何度
断られても根負けせずに売りたいと考えている相手から買ったほうが
有利かもしれない。
卸会社の定期訪問等も同様で、「訪問の優先順位や訪問時間・訪問
頻度等」を決める際には訪問しやすさの難易に注意しなければならな
い。一般に訪問の優先順位や訪問頻度等は、顧客会社の規模や取引実
績によって決める。うっかり近づきやすい会社(規模や取引実績が小
さい傾向がある)を優先して、成果が低い場合があるからだ。