■■ Weekly Fax News 776 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 建設現場での熱中症 ― その責任は? 」
(2)「 『駅ナカ』と駅前商店街 」
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◆「 建設現場での熱中症 ― その責任は? 」◆
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東京での連続猛暑日記録の更新とはならなかったが、全国各地で猛
暑が続いている。群馬県館林市では39.5度を観測するなど、容赦
無い強烈な暑さが猛威を振るっている中、いかに安全な労働環境を確
保するかは、企業にとって重要な課題となっている。室内での勤務で
あればともかく、建設業のように概ね屋外での勤務が主となる場合は
特に注意が必要だ。
厚生労働省からも、熱中症防止策としてWBGT値(暑さ指数)を
毎日測定すること、作業者の体調管理をしっかりすることや水分・塩
分を定期的に摂取すること、さらにはWBGT値が基準値を大幅に超
えた場合は、一定の時間帯においては作業を行わないことまで推奨さ
れている。建設業の場合、多くの下請け業者が現場に出入りすること
も多い。そのようなケースでは、当然に元請け側の安全管理体制の責
任まで問われることもある。平成24年に熱中症で死亡した21人の
うち、1 8人についてはWBGT値の測定をしていなかったという事
実もある。管理体制に不備があったと責任を追求される余地もあるだ
ろう。十分な管理体制を構築することは、事故を未然に防ぐという観
点もさることながら、いざというときの責任回避にもつながることを
理解しておきたい。
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◆「『駅ナカ』と駅前商店街 」◆
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首都圏を中心に、JR東日本や私鉄各社の「駅ナカ」(駅構内の商
業施設)事業が活発である。少子高齢化に伴い鉄道利用者が減少し、
鉄道会社の収益に占める非運輸割合が年々高まっているのである。
従来、中小規模以下の駅構内には、立ち食いそば店・ファーストフ
ード店・和洋菓子店等と改札口に売店がある程度であった。しかし、
近年は1 日平均乗車人員が数万人程の駅であっても、改装等を機会に
まとまった店舗数の商業施設(コンビニ・飲食店・書店・美容・健康
関連等のチェーン店が目立つ)を設けることが多くなった。
ところで、駅ナカを元々駅前にある商店街の立場から見ると、駅前
立地の有利性に不安が発生している。例えば、駅前通りで飲食店・コ
ンビニ・書店等を経営していれば、ある日眼前に競争者が出現したこ
とになる。しかも、同じ街内の競合店とは異質の店舗である。斬新な
店舗デザイン・流行先取りの品揃え・便利な営業時間帯・元気の良い
接客等が脅威である。
大事なことは、高度成長期の大型店進出に伴う反対運動の時のよう
に唯敵対することではない。地元の駅利用者が、駅前通りでの消費意
欲を高める品揃え・接客・客層等の差別化戦略や斬新なイベントを機
動的に実行していくことではなかろうか。