■■ Weekly Fax News 780 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 教育資金贈与信託 ― 契約数前月比の約2倍に 」
(2)「 社長と輔佐役は親密に 」
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◆「 教育資金贈与信託 ― 契約数前月比の約2倍に 」◆
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一般社団法人信託協会(会長 若林辰雄)は、今般、平成25年6月
末の教育資金贈与信託の受託状況をとりまとめ発表した。教育資金贈
与信託の契約数は18,206件(前月末比8,489件増、87.
4%増)、新規設定額合計は1,246億円(前月末比566億円増、
83.2%増)となっている。開始直後の4月末時点で契約数は3,
797件、新規設定額合計は242億円、同じく5月末時点での契約
数は9,717件、新規設定額合計は680億円と推移した。取扱い
開始以来、3ヶ月間経過で多くの関心が寄せられていることがわかる。
教育資金贈与信託とは、孫等の教育資金として祖父母等が信託銀行等
に金銭等を信託した場合に、1,500万円を限度として贈与税が非
課税になる信託。ただ、いくら孫のためとはいえ、教育資金の贈与で
自分の老後の生活設計に影響が出てしまっては本末転倒となる。最低
でも平均余命までの生活費のほかに、介護付き老人ホームの終身利用
権を取得できる資金を残しておくべきであり、複数の孫に贈与する場
合、節税効果ばかりを考え、年齢や在籍する学校によって金額に大き
な差をつけると、相続時に孫の親同士が争う原因になりかねないので、
これらの点も含めて総合考慮して実行する必要があるだろう。
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◆「 社長と輔佐役は親密に 」◆
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社長と輔佐役(副社長・専務等)が不仲である会社が長く栄えたこと
はない。輔佐役が社長にへつらう姿も好ましくないが、社長と輔佐役
が親密になって初めて社員は安心して仕事に打ち込む。組織は内部に
ある敵(特に経営陣の不仲)には弱いものである。X社(食品製造業、
社員90人)は、昭和30年代に兄弟A・Bが平等に出資して創業し
た。現在、Aの子が社長(持ち株比率55%)、Bの子が副社長をし
ている。A・Bが健在なうちは一族が一丸となって運営していたが、
今は株主総会の度に意見が食い違い、経営計画や戦略策定に手間取る
ようになった。また、日常の経営活動において社長と副社長が分担し
た職務(X社には2大部門がある)にお互いが干渉する為、経営方針
の統一性や人員配置に乱れが発生している。X社の事業承継に関連し
て助言を求められたが、次のような環境整備を勧めた。
(1)社長と輔佐役の関係は親密が理想であり、部門を明確に分担し
た以上、社長は補佐役に任せた職務に極力干渉すべきではない。
(2)経営方針や経営戦略に関して、社長と輔佐役の指揮が矛盾しな
いようにする。矛盾すれば社員が迷い、経営者への信頼を失う。
社長の権限(持ち株に裏付けされた経営方針・経営戦略・人事統括等)
を明確に示し、人間修養に努めることが大事である。