■■ Weekly Fax News 791 ■■
――――◆ 目 次 ◆――――――――――――――――――――
(1)「無申告法人から約百億円を追徴 24事務年度―国税庁が集計」
(2)「 小資本で始める商い 」
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◆「無申告法人から約百億円を追徴 24事務年度―国税庁が集計」◆
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国税庁は24事務年度の法人税、法人消費税、源泉所得税等の調査
事績をまとめた。大口・悪質な不正計算が想定され、調査する必要度
の高い法人9万3千件について実地調査。このうち、法人税の非違が
あった法人が6万8千件、申告漏れ所得金額は9,992億円、追徴
税額は2,098億円となった。法人消費税についても8万8千件を
実地調査。このうち、消費税の非違があった法人が5万件、追徴税額
は474億円となった。また、13万6千件の源泉徴収義務者につい
ても実地調査。このうち、源泉所得税等の非違があった源泉徴収義務
者が3万3千件、追徴税額は285億円となった。事業を行っている
と見込まれる無申告法人4千件に対して調査を実施。法人税56億円、
消費税44億円、合わせて99億円を追徴課税した。海外取引法人等
に対する調査も1万3千件実施。このうち、海外取引等に係る非違の
あった件数が3千件、申告漏れ所得金額は2,452億円。法人税に
ついて3万7千件の無所得申告法人に対して調査を実施。申告漏れ件
数2万6千件、申告漏れ所得金額4,803億円を把握。無所得申告
法人のうち4千件は、本来有所得で申告をすべき法人で、416億円
を追徴課税した。消費税についても2万件に対し129億円を追徴課
税した。
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◆「 小資本で始める商い 」◆
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井原西鶴の『日本永代蔵』に、生活に困った主人公が、知り合った
「物もらい」のアイデアによって財産を築く話がある(出典:小学館
発行井原西鶴集三)。すなわち、「貝殻を拾って霊岸島で石灰を焼く
か、江戸は万事に忙しい所ですから、刻み昆布か花鰹を削って量り売
りするか、一反続きの木綿を買って切売りするか、こんなこと以外に
は、手軽にできる商売はありますまい」と言う。主人公は木綿を買い
込み、縁日で切売りの手ぬぐいを売り、次々に工夫して10年で5千
両の金持ちになったという。このような話をしたのは、新規開業に際
しての資金計画(特に設備投資)に疑問を持つからである。特に有利
な公的融資(低い自己資本比率、無担保無保証等)を申込むような場
合に、融資限度額を目安に投資規模を決めたりする。例えば、食堂の
開業に当たって中古厨房設備で間に合うのに新品を買ったり、居抜き
で衣料品店を始められるようなテナントを確保出来ても自己の趣味に
合わせて高額な店舗内装をしたりする。結果、借入金の返済が厳しく
なり、資金繰りが短期に破綻する恐れがある。理想の店舗づくりは自
己資金を徐々に増やしながら目指せば良い事である。開業資金にゆと
りを持つことは必要であるが、大きな設備投資は慎重にすべきであろ
う。