■■ Weekly Fax News 814 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 社会保険未加入企業への年金事務所の対応が強化 」
(2)「 意志と実行の裏付け 」
―――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 社会保険未加入企業への年金事務所の対応が強化 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
財務的な理由により、法人でありながら社会保険に未加入の企業も
少なくない。社会保険に加入することは、単純計算で約15%の企業
負担が発生するということを意味している。年収300万円の社員が
10人在籍している企業では、新規加入により一気に約450万円の
負担増になるわけだ。法律的には当然に加入の義務があるわけだが、
これまではどこか「任意」での加入が許されると誤解させるほど、年
金事務所の動きは鈍かった。しかし、ここにきて年金事務所からの圧
力が急上昇している。従来は財務的に支払余力がないという理由で加
入を先延ばしにするようなこともあったが、「自発的に加入しないの
であれば、職権で2年遡って強制加入させる」といった強硬な姿勢を
見せるケースも発生している。原則論で言えば、法的に加入の義務が
ある以上、年金事務所の措置は正しいとしか言い様がない。前述の例
で言えば、仮に2年遡って加入させられたとしたら、その段階ですで
に未納の保険料が約1800万円(労働者負担分を含む)発生すると
いうとんでもない事態になりかねない。
年金事務所から加入に関する呼び出しがあった場合、強制加入させ
られるかどうかはともかく、まずは誠実な対応をすべきだろう。
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 意志と実行の裏付け 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
筆者が経営指導している時、経営者から「やる意志はあるが、中々
実行出来ない」という言訳をよく聞く。反対に、「先生から言われた
あの件、早速着手したよ」と聞いて、その迅速さに驚くこともよくあ
る。
ある人生論の本に、「朝夕良い事を考えていても、それを実行しな
ければ善人と言わない。昼夜悪い事を思っていても、それを実行しな
ければ悪人と言わない」とあった。ただ思っているだけで実行しない
事は、価値が無い(又は実害がない)ということだ。経営上の企画立
案や計画策定も同様である。一番悪いのは、頭の中で企画や計画を考
えているだけで明確に策定しないことであるが、次に悪いのは策定し
ても着手又は実行出来ないことである。その原因は、企画や計画のビ
ジョン(進出分野や売上規模、主要な経営戦略等)が明確になってい
ないこと、資金の裏付けや実行担当者の目途が立ってないことである。
また、中小会社の実行力の強弱は経営者個人の性格や会社の伝統的体
質にも依るが、意志の決定法(企画・計画の優劣判定法、アイデアや
技術の実用判定法等)と実行システムが調和していないことも多いよ
うだ。さらに、やる意志が強くても手法の選択に迷って実行に踏み切
れないことがある。計画に必ず着手期限を付けることが肝要だ。