■■ Weekly Fax News 859 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 H27年度税制改正大綱 ― 地域活性化へ雇用促進税制 」
(2)「 『人の和』は会社の重要資源 」
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◆「 H27年度税制改正大綱 ― 地域活性化へ雇用促進税制 」◆
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地方の企業において雇用の場を確保し、人材を定着させるための地
方拠点強化税制が創設され、地方創生に向けた重点改正の1つとなっ
ている。本社機能等の移転や地方拠点の拡充に対する投資減税ととも
に、地方拠点の雇用増に対する税額控除制度の特例が盛り込まれた。
地域再生法の地方拠点強化実施計画
(仮)の承認を受けた中小企業者等が、地方へ移転または新増設をし
た事業所において雇用者を増やした場合に、当期増加雇用者数一人当
たりで以下の税額控除を行う。
1.法人全体の雇用者増加率10%以上の事業所:50万円
2.同10%未満の事業所:20万円
(1.の場合、当該増加雇用者数は、現行の雇用促進税制の適用の基
礎となる増加雇用者数から控除される)
また、中でも地域再生法における大都市等(仮)以外への移転を行
った事業所については、上記の税額控除を受ける事業年度以後の各事
業年度において、当期増加雇用者数一人当たりさらに30万円の税額
控除が追加される。これは最大3年間継続できるため、初年度は一人
当たり80万円、3年間では計140万円となる。ただし、当該地方
拠点の雇用者数または法人全体の雇用者数が減少した事業年度以後は
不適用。
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◆「 『人の和』は会社の重要資源 」◆
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「天の時は地の利に如(し)かず、地の利は人の和に如(し)かず」
(内野熊一郎著『孟子』明治書院発行[新書漢文大系]等を参照)。
これは『孟子』にある言葉であるが(「天の時」は天地自然の現象、
「地の利」は土地・道路・山河等の状態)、要は何事も人の和(民心の
和合)が最も大切ということである。X社(事務機器の販売業)の社員
は大変穏やかで仲が良い。社員がチームを組んで共同で売り込んだり、
一緒に訪問して得意な商品別に説明を分担したりする。冠婚葬祭等の交
際が重複した時には手分けしたり、苦情処理はお互いの得意技を発揮し
て助け合ったりして、その迅速な行動が取引先から信頼されている。あ
る時、X社の社長に社員の礼儀正しさや協調性を称賛したところ、社長
は「実を言うとねえ」と過去の失敗を打ち明けた。「創業から10年間
くらいは歩合給で社員同士のライバル心を煽り、朝礼で営業成績を発表
した。一時は成果が上がったが、社員の定着が悪く、取引先や同業者か
らマナーの悪さを非難され、社員同士の喧嘩が絶えなかった」と。結局、
歩合給を廃止して、社員を3~4人のチーム制にして協調性を重視する
ようにした。今、X社は取引先からも社員モラール(労働意欲)の高い
会社という評価を得て、社員の対話も活発である。