■■ Weekly Fax News 317 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 16年度改正の柱『 年金税制 』
65歳以上の上乗せ部分を廃止 」
(2)「 積もり積もって 」
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◆ 「 16年度改正の柱『 年金税制 』
65歳以上の上乗せ部分を廃止 」 ◆
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平成16年度税制改正の大きな柱となっているのが「年金税制の改
正」である。
自民党の平成16年度税制改正大綱は、「平成16年度税制改正に
おいて年金課税の適正化を行う。この改正により確保される財源は、
平成16年度以降の基礎年金拠出金に対する国庫負担割合の引き上げ
に充てるものとする」としている。
「所得税法等の一部を改正する法律案の概要」によると、年金税制
の改正案は、(1)公的年金等控除の65歳以上の者の上乗せ措置を
廃止する(2)65歳以上の者の公的年金等控除の最低保障額を50
万円加算し、120万円とする――となっている。現行の公的年金等
控除は、年齢65歳以上の者の場合、(イ)年金収入260万円未満
の場合――140万円(ロ)260万円以上~460万円未満の場合
――収入金額×25%+75万円(ハ)460万円以上~820万円
未満の場合――収入金額×15%+121万円(ニ)820万円以上
の場合――収入金額×5%+203万円となっている。
16年度改正により、定額控除50万円に一本化されることから、
65歳以上最低保障額が140万円から120万円に引き下がるとと
もに定額控除後の算式率も改正される。
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◆ 「 積もり積もって 」 ◆
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易に、「霜を履(ふ)みて堅氷至る」という言葉がある。霜を履む
季節になれば堅い氷りの張る季節の来ることを予想すべきであるとい
うように、物事は早いうちから適切な処置をとらないと、大変になる
ということである。
A社は輸入魚介類卸で急成長していたが、数年前から社長の不正行
為や取引先からのクレームなどが頻繁に起こるようになった。しかし、
収益力が増加していたので、その損害額は経営に大きく影響しなかっ
た。社長の口グセは、「小さなことを気にしていたら、わが社の成長
は止まる」であった。ところが、社員の退職が顕著になったことから
業績が悪化し、幹部による大きな不正経理が発覚して信用破綻をして
しまった。致命傷になった最後の事件も数年前から始まっており、小
さな不正の影に隠れていた。
経営者は、1日に2日分、1年に2年分の仕事をする必要があると
言われている。今日は明日のことを考えて、今月は来月のことを考え
て、今年は来年のことを考えて働かなければならない。現在さえ良け
れば構わないという姿勢は、いつか大きな禍根になる。
A社は、小さな不正を発見したり、簡単なクレームを受けたりして
いるうちに予防策を講じていれば、決定的な破綻は免れたであろう。
大きな事故は大抵小さな不正や怠慢が積もり積もって起こるものであ
る。