■■ Weekly Fax News 354,355 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「老人マル優廃止 ― 1年後に迫る 」
(2)「 事上の練磨 」
(3) 「『 包括根保証制度 』廃止 ― 改正商法が成立 」
(4)「 不意の訪問者 」
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◆ 「 老人マル優廃止 ― 1年後に迫る 」 ◆
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65歳以上の人を対象とした「老人マル優制度の廃止」が1年後に
迫ってきた。
平成14年度税制改正において「満65歳以上を対象とした『老人
マル優制度』は平成17年12月末をもって廃止する」とした改正が
行われているからだ。改正の趣旨は、「税の公平・中立という原則に
立ち、『租税特別措置の聖域なき見直し』の視点を踏まえ、貯蓄優遇
税制としての政策目的をもって講じられていた租税特別措置である老
人等の少額貯蓄非課税制度について、高齢者世帯の所得の分布状況や
平均貯蓄残高等の実態等を踏まえ、所要の改正を行った」というもの
であった。したがって、この改正により、平成18年1月以降マル優
を適用できるのは、およそ次の障害者等の人たちだけになる。身体障
害者手帳の交付を受けている人、遺族基礎年金を給付されている妻、
寡婦年金(母子年金を含む)を受けている妻、遺族厚生年金(遺族年
金、特例遺族年金、通算遺族年金を含む)を受給されている妻、遺族
共済年金(遺族年金、通算遺族年金、特例遺族年金を含む)を受給さ
れている妻、恩給法に基づく普通扶助料、公共扶助料、増加非公死扶
助料、特例扶助料、傷病者遺族特別年金を受給されている妻、戦傷病
者戦没者遺族等援護法に基づく遺族年金、遺族給与金を受給されてい
る妻、児童扶養手当を給付されている人(児童の母)など。
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◆ 「 事上の練磨 」 ◆
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Aさんは、ある建設機械販売会社のベテラン営業マンである。「私
は非常に臆病なんです」と、照れながら話し始めた。
「見積書や企画書の作成は得意ですけど、営業で初対面の人と上手
に話せないんです。時々体が震えて、頭の中が大混乱です。」
最初Aさんの成績は非常に悪く、何度も退社を決意したが、転機は
意外なところから訪れた。それは入社して3年した頃、Aさんの上司
として社内随一のB営業課長が赴任して来たことだった。
Aさんがやっと大きな契約が取れる目途が立ったので、B課長に上
司同行をお願いした時だった。B課長は取引先とそつなく商談をまと
め、その手際の良さには驚くばかりだった。しかし、Aさんは時々B
課長の膝が少し震えることを見逃さなかった。
「いつになっても重要な商談は本当に緊張するよ。前任者から聞い
たが、A君も同じらしいね。要は、震えながらでも現場活動を続ける
ことが伸びる条件だ」
この日を境に、Aさんは営業の面白さを理解した。取引先の人から
も好意的に受け入れられ、10年後には営業所の課長に抜擢された。
今でも商談に行くと震えるが、社内で最上位の成績である。まさに、
「事上の練磨」(干陽明の言葉)による成果である。
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◆ 「 『 包括根保証制度 』廃止 ― 改正商法が成立 」 ◆
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中小企業の経営者が自社の債務保証により、会社の倒産と共に個人
破産する悲劇を起こす要因となっている。「包括根保証」を廃止する
商法改正法案がこのほど、国会で可決・成立した。
これまで、金融機関は、企業に資金を融資する際、経営者の個人保
証をとっていた。包括根保証といわれるもので、経営者は、金額の限
度や期間の定めが無い保証であるため、会社が倒産する事態になれば、
個人資産まで、それこそ根こそぎもっていかれ、破産に追い込まれる
悲劇が頻繁におきていた。それだけにこの廃止は、経営者にとって、
まさに朗報といえる。改正商法では、保証の上限を設けることが義務
付けられ、保証の期限も5年以内とされている。改正の概要は次のと
おり。
(1)資金等根保証契約 保証人が個人である根保証契約であって、
その主たる債務の範囲に貸金等債務(金銭の貸渡し又は手形の割引を
受けることによって負担する債務が含まれるもの)の保証人は、主た
る債務の元本、利息、違約金、損害賠償等について、その全部に係る
極度額を限度として、その履行をする責任を負うものとする
(2)貸金等根保証契約は、(1)の極度額を定めなければ、その効
力を生じないものとする
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◆ 「 不意の訪問者 」 ◆
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アポなしの訪問を受けた。紹介をした仕事が不首尾になった謝罪の
ためであった。彼は「朝一番で駆けつけました」と言う。1時間ほど
話して帰ったが、内容は言い訳と愚痴ばかりであった。紹介した仕事
が不首尾に終わったことは仕方ないことだが、不意の訪問によってそ
の日のスケジュールが大きく崩れてしまった。
アポ無しで訪問してくる者は、時間観念が弱いためか、滞在時間も
長くなるようだ。また、不意の訪問者がよい話を持ち込んだためしが
ない。迷惑に思うことがほとんどだ。相手が今どういう状況であるか
を思い遣る気もなく、自分の都合で行動している。この場合、話の途
中で帰ってくれと言うことも出来ず、身振りや演出で伝えることにな
る。時計を見る(忙しいことを察してもらう)、腕組みをする(拒否
反応)、お茶を入れ替える(長い時間が過ぎたことを示す)、電話を
掛ける(仕事中であることをアピール)、「○○時に外出の予定」と
言う(予定の混乱を非難)などによって、帰ることを願う。
やむを得ないアポ無しの訪問は、短時間を旨とすべきであろう。謝
罪やお礼の訪問は3分以内である。気の利かない訪問より、ハガキか
手紙を書く方法が効果的である。不意の訪問で喜ばれる人は、恋人か
合格通知を配る郵便屋さんくらいのものであろう。