■■ Weekly Fax News 405 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 1千万円株式譲渡非課税特例 ― 今年が適用初申告 」
(2)「 進退の方法 」
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◆ 「 1千万円株式譲渡非課税特例 ― 今年が適用初申告 」 ◆
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「上場株式等を売却した場合の購入価額1,000万円までの非課
税の特例」の適用を受ける申告が、平成18年の確定申告期に初めて
行われる。
この特例制度は、「個人が平成13年11月30日から平成14年
12月31日までの期間に購入又は払込により取得した『特定上場株
式等』を、平成17年1月1日から平成19年12月31日までの間
に証券業者等への売買委託など、一定の方法による譲渡をした場合、
その年において譲渡した特定上場株式等のうち、『特定上場株式等非
課税適用選択申告書』を提出したもので、その取得の対価の額の合計
額が1,000万円に達するまでのものの譲渡による所得は非課税と
なる」というものである。したがって、平成17年に売却実績がある
者が18年の申告で非課税の適用を受けることになるわけだ。この特
例の適用に当たっての留意点としてはね(1)対象となる上場株式等
は、その取得の時においても上場株式等に該当していたものに限る
(2)購入又は払込により取得した者から相続・贈与により取得した
上場株式等は、この特例の対象にならない(3)「特定上場株式等非
課税適用選択申告書」が源泉徴収口座において譲渡をした特定口座内
保管上場株式等は、この特例の対象にならない(4)一度選択申告し
たものについての選択替えはできない――などの事項がある。
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◆ 「 進退の方法 」 ◆
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退くことも、進むことも出来ないのは、進退の方法を詳しく知らな
いからである。
電子部品製造業A社の社長が、息子(専務、47歳)に経営を譲る
かどうか相談に来た。会社の業績は余り芳しくない。出来れば、会社
を立て直してから引き渡したいが、徐々に経営状況が悪くなっている。
会社の状況と社長の心境を聞いて唖然とした。社長は7年間も悶々
と悩んできたのに、息子や他の経営陣と一度も事業承継について話し
合ったことがないと言う。何か事業承継に有効な行動をしてきました
かと問うと、自分一人で悩んできたと言う。今度、初めて第三者に相
談したと言う。
社長が後継者問題に悩むことは当然である。しかし、もっと大事な
ことは会社の財務・人事・営業等の状況を客観的に把握し、経営陣全
体が後継者の出番を歓迎するという行動と根回しが必要だ。社長の本
心を表明して、周囲の協力を求めることだ。雛が生まれる時、卵の内
側から啄むと同時に親鳥が卵の外側をくちばしで叩いて助ける。
その後A社では、社長が株の相当割合を息子に譲渡し、息子の経営
意欲を喚起する努力をした。外部の企業診断を受けて、これまでの経
営計画を見直した。さらに取引銀行や主要取引先に新しい経営計画を
示し、息子への事業承継が近いことを予告した。