■■ Weekly Fax News 407 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 役員給与にアメとムチ ― ムチは報酬の一部損金不算入 」
(2)「 企業活動の社会的責任 」
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◆ 「 役員給与にアメとムチ ― ムチは報酬の一部損金不算入 」 ◆
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与党の「平成18年度税制大綱」は、「あらかじめの定めに基づい
て確定時期に確定額を支給する役員給与(年2回のボーナス等)の損
金算入を認める」改正を盛り込んでいるが、その一方で、「実質一人
会社のオーナー社長の報酬について、給与所得控除相当分を、法人段
階で損金不算入とする」改正を行うとしており、後者のこの改正は、
「いかにも不平等な改正であるから、止めて欲しい」とする声がわき
上がっている。
与党の「大綱」は、「役員ボーナス等の損金算入」について、「法
人がその役員に対して支給する利益を基礎として算定される給与のう
ち、非同族法人が業務を執行する役員に対して支給する給与で、当該
事業年度において損金経理していること、算定方法につき報酬委員会
における決定等の適正な手続が執られており、かつ、有価証券報告書
等で開示されていること、その他の一定の要件を満たすものの額は、
原則として、損金の額に算入する」としている。
一方、「役員報酬の損金不算入」については、「法人の支給する役
員給与について、見直しを行う」として、詳細な規定を盛り込んでい
る。
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◆ 「 企業活動の社会的責任 」 ◆
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大企業を中心に、「企業の社会的責任」(CSR=Corporate Social
Responsibility)という言葉が叫ばれるようになった。企業といえど
も利益だけ追求していることは許されず、国民生活に有益になるよう
な活動理念が求められている。
例えば、某ビールメーカーは「適正飲酒の10カ条」というものを
作っている。「自分の適量にとどめよう」「週に二日は休肝日を」
「人に酒の無理強いはしない」「遅くても夜12時までに切り上げよ
う」などと訴えている。企業収益の最大化追求よりも国民の健康とい
う社会的責任を優先している。1970年代は、公害を発生させない
ことや欠陥商品を作らないことなどが企業の社会責任とされた。国民
生活に害を与えないという消極的な社会的責任を掲げた。1990年
代になると、企業の社会貢献活動という概念が叫ばれた。積極的な社
会的責任の遂行ではあったが、その内容が企業の本来の事業と遊離し
ているような活動が多かった。企業は法律に反しなければいくらでも
利益の追求ができるという考え方が許されなくなっている。企業は自
身の発展と従事者等の幸福を求めても良いが、その企業活動が国民生
活に有用でなければ社会的存在さえ許されないかもしれない。社会的
責任の遂行を優先する企業活動が求められている。