■■ Weekly Fax News 484 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 受給開始を遅らせると ― 繰り下げ期間によって増額 」
(2)「 勤め人のしあわせ 」
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◆「 受給開始を遅らせると ― 繰り下げ期間によって増額 」◆
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年金をもらえる年齢になっても、収入があるなどで、まだ年金は必
要ないという人もいるでしょう。このため、基礎年金や厚生年金には、
受給開始を遅らせると年金額が増額される仕組みが設けられています。
「繰り下げ受給」といいます。
基礎年金の支給開始は65歳です。繰り下げ受給は、66歳から7
0歳ちょうどまでの希望する時点に、受給開始を遅らせる仕組みで、
遅らせた期間に応じて年金が増額されます。年金の増額割合は、19
41年4月2日以降に生まれた人の場合、繰り下げ期間1ヶ月につき
0.7%。1年繰り下げると、65歳から受け取るときと比べて8.
4%の増額、5年繰り下げて70歳ちょうどから受け取る場合は42
%の増額です。この増額は一生続きます。
繰り下げ受給が得になるか損になるかは、何歳まで生きられるかに
よります。66歳ちょうどに繰り下げた場合、受給額の累計が65歳
受給開始の場合を追い越すのは、78歳近くになってから。繰り下げ
期間が1年延びるごとに、追い越す年齢が1歳上がります。繰り下げ
受給を始めてすぐに亡くなった場合、結果的には年金はわずかしか受
け取れません。一方、繰り下げ受給をするつもりで年金を請求せず、
受給する前に亡くなった場合は、65歳から受け取れたはずの年金が
遺族に支払われます。
厚生年金の繰り下げ受給は07年度に導入。65歳以降の老齢厚生
年金だけの制度で、今年度以降にその受給権が発生する人が対象です。
60歳代前半の厚生年金は対象外。増額割合は基礎年金と同じです。
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◆「 勤め人のしあわせ 」◆
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会社に勤めていて一番嬉しいことは、上役(特に社長)から努力が
認められた時ではなかろうか。逆に、一番悲しいのは、上役から公平
な評価をされず、嫌な同僚やゴマすり人が出世して行くことであろう。
源氏鶏太氏の小説を読んでいたら、「サラリーマンの五つのしあわ
せ」というものが紹介されていた(源氏鶏太著『日日哀歌』新潮文庫
の解説コーナーに藤田昌司氏が執筆)。引用させて頂くと、五つのし
あわせとは、「よい上役をもつしあわせ」「よい上役になるしあわせ」
「よい同僚をもつしあわせ」「よい同僚になるしあわせ」「責任ある
仕事を果たせるしあわせ」であると言う。
会社に何十年勤めていると、仕事そのものの苦労は兎も角、上司
(小企業であれば社長)や同僚との関係良否によって運命が決まる。
長い間には、多かれ少なかれ嫌いな上司や同僚に遭遇することが普通
だ。
ところで、勤務先を何となく転々とする人がいる。その原因の一つ
に、「よい上役をもつ」「よい同僚をもつ」しあわせを求めるだけで、
概して自らが「よい上役になる」「よい同僚になる」「責任ある仕事
を果たせる」しあわせを真剣に求めていないような気がする。勤め人
のしあわせは、各人の年代や地位等によって果たすべき使命を守るこ
とによって自然に獲得できると思われる。