■■ Weekly Fax News 520 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 BPM ― お金をかけずに改善できる 」
(2)「 中庸の道を選ぶ 」
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◆「 BPM ― お金をかけずに改善できる 」◆
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BPM(ビジネスプロセス・マネジメント)と言うと、巨大なコン
ピュータシステムを思い浮かべ、ウチには関係ないと思うのではない
か。そんなシステム偏重は決して企業が望んでいることではない。
BPMのとらえ方はいろいろとあるが、筆者は「ビジネスプロセス
の可視化による業務改善」と考えている。
可視化の方法は、何を可視化するかにもよるが、例えば業務のデー
タの流れを可視化するにはDFD(Data Flow Diagram)がある。こ
れはわずか4種類の構成要素(データの発生、処理等)を組み合わせ
て表現するものであり、大きな紙等使って、各部門の代表者が集まっ
てわいわいとやればできてしまう。これにより受注から製造、発送、
金の回収に至るデータの流れを可視化できる。伝票の流れとモノの流
れが1図で分かる優れものだ。
次に、例えば納期の短縮を図りたいとする場合は、このDFDを前
に、どこが短縮可能かを議論できる。場合によると組織に手をつける
こともあるので、組織者幹部の参加が必要である。優秀な経営者はこ
んな図を描かなくても分かるだろうが、会社が大きくなるには、この
ような場で、従業員の業務の全体を考えることが必要だろう。改善と
育成に一石二鳥である。上記はBPMのほんの一例にすぎない。
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◆「 中庸の道を選ぶ 」◆
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一休禅師のとんち物語に、「この橋を渡るな」という話がある。一
休さんは橋の「端」(橋と同音)ではなく、橋の真ん中を歩いて渡っ
てしまうというものである。この話に、「中庸の道を選ぶべき」とい
う意義深い人生訓が含まれているかどうかは知らない。
しかし、渡世のコツというものは、行動に当たって右か左かという
両極端の結論を選ぶより、その中間(中庸)を行くことによって調和
を保つことが多いものである。
例えば、上司の部下に対する対応方法である。部下に気に入られよ
うとしてへつらうことは間違いであり、また反対に部下から軽く見ら
れないように厳し過ぎる態度をとることも間違いである。上司として
やるべき命令や指示は明確に行い、部下の質問や相談には思い遣りの
心を持って応じるべきである。思い遣りの心を持つことは、甘えを許
すことではなく、部下の意気込みや向上心を引き出すことになるから
である。
同じく、目上の人に接する場合に良い印象を持たれる為には、バラ
ンス(中庸の心)が大事である。目上の人に大柄な態度は論外である
が、反対に余りにもへりくだった態度は警戒心や不信感を持たれる可
能性が強いからである。目上の人の話を真剣且つ素直に聞き入れ、中
庸の心を持って鄭重に対応すれば充分であろう。