■■ Weekly Fax News 533 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 2008年上半期の倒産 ― 件数・負債ともに大幅増加 」
(2)「 社員教育と後継者育成 」
―――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 2008年上半期の倒産 ― 件数・負債ともに大幅増加 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
帝国データバンク(TDB)が公表した2008年上半期の全国倒
産集計によると、本年1月~6月の倒産件数は6,022件と6千件
を突破し、前年同期比11.6%の増加となったことが明らかとなっ
た。また、負債総額も、前年同期比17.4%増加し、3兆194億
6,400万円となった。負債50億円以上の大型倒産も104件で、
38.7%の増加であった。
倒産件数が増加した背景には、景気減速を受けて「不況型倒産」が
増加したこと、原料高倒産が235件と急増したこと、公共工事削減
や脱談合等に苦しむ建設業の倒産が増加したことなどが挙げられると
している。また、負債総額が増加した要因としての調査では、不動産
市場の急減速により、中堅以下のマンション・戸建て分譲業者等の資
金調達環境が悪化し、不動産業者の大型倒産ラッシュが発生したこと
などを挙げている。
倒産の主因別では、前出のとおり、「不況型倒産」が4,711件と8割
近くを占めた。前年度比では14.3%の増加。増加したのは、原料高
が加速し、価格転嫁ができない中小・零細企業の収益環境が悪化した
ことなどを挙げている。
態様別には、会社更生法が12件、民事再生法が393件と大幅に
増加したのが特徴。
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 社員教育と後継者育成 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
X社(カバン・財布類製造業)のA専務は、担当の一つとして社員教育
とB常務(社長の息子)の後継者育成を任されている。
ある時、筆者がA専務に「最近の社員教育の成果はどうですか」と尋
ねたところ、「B常務の件で手一杯だよ」という答えが返ってきた。
商工団体参加への根回し、取引先への同行、銀行対策の指導や取引先
情報の伝達等を日々していると言う。
A専務に上記のような質問をしたのは、B常務から「我が社の社員は
創意工夫をする勤労意欲に欠け、将来の展望が見えないので不安だ。
社員は会社を信頼していない」という相談を受けていたからである。
そこで、A専務と正式に面談し、次のような説明とお願いをした。
社員教育と後継者育成には共通項が多い。社員教育の徹底が、後継
者育成の成功につながる。社員のあるべき姿に会社が展望を示し、こ
の展望に立ち向かう勤労意欲を持つ社員を育成すること。この中に、
後継者を積極的に参加させる。一般に、「待遇レベル」「上司による教育
や接し方」「職場環境(ソフト・ハード面)」等を改善することがやる気を開
発すると思うが、これらを体験させることが後継者育成にも必要である。
以上は、後継者が全社員から信頼される経営者になるための通過すべ
き道標である。