■■ Weekly Fax News 543 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 事業所得の申告漏れ ― 貸金業再びトップに 」
(2)「 先手を取る作戦 」
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◆「 事業所得の申告漏れ ― 貸金業再びトップに 」◆
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国税庁はこのほど、所得税および個人事業者の消費税について、平成
19事務年度に実施した調査状況の結果をまとめ公表した。申告漏れ所
得金額は全体で9,635億円(前事務年度9,166億円)、追徴税額は
1,322億円(前事務年度1,243億円)でいずれも増加している。
所得税(譲渡所得調査等分)については、調査等の件数は7万9千件で、
そのうち申告漏れ等の非違があった件数は、5万2千件(同5万件)、
申告漏れ所得金額は3,339億円(同3,342億円)となっている。また、
消費税に関して、調査等の合計件数9万1千件で、申告漏れ等の非違
件数6万6千件(同6万9千件)、追徴税額は259億円(同256億円)
であった。
また、1件あたりの事業所得の申告漏れ所得金額が高額な業種とし
ては、1位が「貸金業」(1件あたりの申告漏れ所得金額2,975万円、
同追徴金額902万円(以下同様))、2位が「病院」(2,830万円、
1,080万円)、3位「風俗業」(2,100万円、587万円)、4位「外科医」、
5位「畜産農業(肉用牛)」、以下「食肉小売業」「商品販売外交」「情報
サービス」「くず金卸売業」「個人タクシー」となっている。「外科医」は昨年
の圏外から登場、昨年1位の「キャバレー」や5位「バー」は姿を消した。
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◆「 先手を取る作戦 」◆
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中華レストランを経営するA社長は、原材料費が高騰している為、
値段を引き上げて採算性を改善したいと言う。売上高=客単価×客数
だから、客単価を10%上げれば売上高が10%上がるという理屈で
ある。
値上げした場合の客数の減少対策をしましたかと聞くと、自店の値
段は元々割安だから問題ないだろうと言う。そこで、少しでも失敗の
可能性を減らす為に、客数減少対策(又は客数増加対策)のアイデア
を集めませんかと勧めた。つまり予想される収益力悪化に対して先手
を取る作戦である。
例えば
(1)これまで以上に食材の歩留まり向上のアイデアを集める。
(2)仕入先や仕入方法の変更、有利な材料の開拓等を探ってみる。
(3)これまでの接客態度や営業日・営業時間等を見直し、サービス
提供時間の短縮や客層に合った味付けや盛り付けを工夫する等、
まず自店で出来る工夫を探してみる。
このような事柄を先手を取って進めれば、価格を上げたら「客数が
値上げ幅以上に減少して当てが外れた」という失敗の確率はより少な
くなるであろう。
なお、以上のような先手を取る作戦は、融資を受けることによって
金利負担が増加したり、担保余力が低下したりするような場合にも必
要な対応策である。