■■ Weekly Fax News 542 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 『法人税の経費』と ― 『所得税の必要経費』の違い 」
(2)「 商店街の職住分離 」
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◆「 『法人税の経費』と ― 『所得税の必要経費』の違い 」◆
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先日法人成をした社長からこんな質問をされた。「何故、接待費の
一部が経費にならないんだ!」、と。確かに、一般の事業主さんには
法人税の経費(損金)と、所得税の必要経費の違いは分かりづらいも
の。
理論的には法人税や所得税の課税所得は、収益・総収入から経費・
必要経費を差し引き、これに税法上の調整を加えて算定される。法人
税の場合には収益から費用を差し引き、所得税の場合は総収入から必
要経費を差し引くことになるのだが、法人の経費と個人の必要経費は
考え方が異なるわけだ。
所得税法は第三十七条に、「当該総収入を得るために直接要した費
用の額及びその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を
生ずべき業務について生じた費用」と規定している。法人税は法人が
負担すべきもの、所得税は総収入を得るためのものが経費と規定され
ている。
これらを混同すると、後日の税務調査で痛い目にあいかねないので
注意が必要である。しかし、法人が負担したものがすべて経費になる
のではなく、法人が負担すべきものが法人の経費だから、考え方を間
違えないようにしなければならない。
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◆「 商店街の職住分離 」◆
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朝、出勤のために商店街の中を通ると、ほとんどの店が閉まってい
る。また、夜7時過ぎに同じ商店街の中を通っても、やはりほとんど
の店が閉まっている。一体、この商店街は昼間営業しているのだろう
か(もちろん、営業している)。
さらに、店と住まいが違うのか、閉店後は人の気配が全くない。最
近は店主やその家族の姿もほとんど見たことがない。昭和の時代頃ま
では、開店前や閉店後であっても、店主やその家族と気軽に挨拶を交
わしたり、立ち話をしたりしたものである。
40年程前からと思うが、職住分離(個人経営の商店であっても、
店とは違う場所に住居を置く)が流行った。職住混在(店と住まいが
同じ場所にある)の時は、店の閉店時間が遅くても余り負担にならな
かった。店と同じ所に住んでいるので、営業をしながら夕方から夜に
かけての一家団欒が出来、家へ帰る手間も無かったからである。
職住分離によって、例えば次のような弊害が起こったと考える。
(1)家族(特に子供)が仕事の手伝いをしなくなり、親がどんな仕
事をしているかも知らなくなった。
(2)店主が店のある地域活動に関心が薄くなり、地域の祭りや環境
整備等に参加意欲を持たなくなった。結果、商店街衰退や後継
者不足の原因の一つとなった。