■■ Weekly Fax News 545 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 サービス残業の是正支払い ― 1企業最高30億超 」
(2)「 仕事に慣れるということ 」
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◆「 サービス残業の是正支払い ― 1企業最高30億超 」◆
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厚生労働省はこのほど、監督指導による賃金不払残業の是正結果を
まとめ公表した。平成19年4月から平成20年3月までの1年間に、
全国の労働基準監督署が割増賃金の支払について労働基準法違反とし
て是正を指導した事案のうち、1企業当たり100万円以上の割増賃
金が支払われた事案の状況を取りまとめ、概要が以下の通りとなった。
【割増賃金の是正支払の状況】
是正企業数は1,728企業(前年度比49企業増:集計を開始
した平成13年度以降最多)、対象労働者数は179,543人
(前年度比3,018人減)、支払われた割増賃金の合計額は272
億4,261万円(前年度比約45億円増:集計を開始した平成1
3年度以降最多)であった。企業平均では1,577万円、労働者
平均では15万円である。そのうち、1企業当たり1,000万円
以上の割増賃金の支払が行われた事案をみると、是正企業数は27
5企業(全体の15.9%)、支払われた割増賃金の合計額は21
2億4,016万円(全体の78.0%)である。企業数では製造
業、対象労働者数及び支払われた割増賃金では商業が最も多くなっ
ている。1企業での最高支払額は、30億2,279万円(商業)、
次いで18億5,602万円(商業)となっている。
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◆「 仕事に慣れるということ 」◆
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創業者であれば誰でも、仕事を始めた頃の意気込みと緊張感を覚え
ているであろう。仕事を始めた時は必死な思いで一日を過ごすもので
ある。ところが、時の経過により仕事に対する思い入れが段々変わっ
てくる。
40年間、宝石と時計の販売チェーン5店経営しているA社長から
聞いた話である。「仕事に慣れてくると、経営者も社員も働き方が2
つに分かれる。つまり、一方はますます仕事に対する真剣さが強まり、
始めよりも仕事の難しさを悟るタイプ。もう一方は段々仕事を楽観し
て、工夫を怠りマンネリ化していくタイプである」
さらに、仕事に慣れるにつれて、困難な仕事に挑戦しようとするタ
イプと、反対に楽な仕事だけ選んでやるタイプがあると言う。A社長
は、「一人で商売を始めたときは、良い商品を仕入れて愛想よく接客
すれば売れて当然と思っていた。ところが、社員を雇い店を増やして
経営に慣れると、不安になった。毎日、一定数のお客様が来店するこ
とが不思議に思えた。明日もまた本当にお客様が来てくれるのだろう
か、と」
仕事は工夫の継続によって発展する。繰り返し来店されるお客様を
見て当たりまえと考える人になるか、本当は大変な努力の結実と考え
る人になるかは、仕事に慣れてきたときがその分かれ目となる。