■■ Weekly Fax News 551 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 緊急保証制度に追加 ― 全体で698業種 」
(2)「 不況を乗り切る姿勢 」
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◆「 緊急保証制度に追加 ― 全体で698業種 」◆
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10月末開始の「緊急保証制度」について、中小企業庁は11月14日
に73業種を追加したが、最近の景況悪化や中小・小規模企業の年末
資金繰り対応等を踏まえ、電子部品製造業やビルメンテナンス業、
理美容業など80業種を追加指定した。
この結果、対象業種は全体で698業種となり、追加指定業種は12
月10日から本制度の対象となる。緊急保証制度は、金融機関から
融資を受ける際に一般保証とは別枠で、無担保保証で最大8,000
万円、普通保証で最大2億円まで信用保証協会の100%保証を受
けることができるというもの。
今回の追加によって、保証制度の拡充を求める中小企業をほぼ全て
カバーすることとなった。また、保証制度に係る保証資金については、
認定を受けた指定業種にのみであった従来の基準を改め、(1)主た
る事業が指定業種である(2)当該中小業者全体の数値で確認した場
合に認定要件をクリアしていること、の2点に当てはまっていれば、
認定を受けた指定業種に対する資金だけでなく、当該中小企業者の事
業全体に必要な資金について保証を受けることが可能となった。なお、
従たる業種についてのみ認定を受けた場合は、従前通り当該業種に対
する資金についてのみ保証を受けることができる。
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◆「 不況を乗り切る姿勢 」◆
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急激な不況が叫ばれているが、江戸時代であれば享保・天明・天保
の大飢饉等のような経済状況に匹敵するものであろう。
飢饉に対する当時の備えは、米や雑穀であれば日頃から前年または
前々年に収穫したものから食べていくということである。或いは、ひえ・
あわ等の他、樫の実、松の実や山菜等で補って次の収穫を待つの
である。このような生活をしていれば、凶作の年であっても食料に困
らず、安心して翌年の収穫に向けて励めるのである。
ところが、現代人の生活はどうだろうか。例えば、ボーナスが出る
前にカードで宝石や衣服等を買ったり、将来の収入を見込んで住宅を
取得したり、現金が不足すれば気軽に高利の借金をしたりするのであ
る。これらはいずれも利便性の高い金融システムではあるが、不況に
よって失業でもすれば生活が破綻することも多いのである。
同様に、事業者も経済情勢が安定している時は、真剣に経営改革に
取り組めない人がいる。本当は不況の時こそ、計画的な商品開発・人
材開発・新規売上開拓・財務改善・経費節減等と真剣に取り組むチャ
ンスである。経営者と従業員の両者が不況を切実に受け止め、苦境を
乗り切る協力体制が整えば、安穏としている好況の時よりも会社の体
質改善が進む可能性が高いのである。