■■ Weekly Fax News 553 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 改正労働基準法が成立 ― 中小企業も対応が必要 」
(2)「 目安を持って運営する 」
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◆「 改正労働基準法が成立 ― 中小企業も対応が必要 」◆
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「労働基準法の一部を改正する法律」が第170回国会で成立し、
平成20年12月12日に公布された。改正労働基準法は平成22年
4月1日から施行されることとなる。改正法の大きなポイントは大き
く分けて時間外労働を削除するための施策と有給休暇の活用となる。
労働者への健康面の影響も鑑み、改正により時間外労働については、
1ヶ月の時間外労働が45時間以内の場合は現行通り、45時間超6
0時間以内の場合は労使で時間短縮・割増賃金率を引き上げることを
努力義務とし、60時間超の場合は割増賃金50%とした上で、引上
げ分の割増賃金の支払に代えて有給の休日付与も可能となった。
この改正は中小企業については適用外といった経過措置がなされて
はいるが、適用後をにらみながら、いまのうちから対応策を検討する
必要がある。
有給休暇については、労使協定を締結した場合、有給休暇のうち5
日を限度に時間単位での取得を認めることとなった。従来は半日休暇
制度の適用にとどまっていたため、改正により1回につき1時間、2
時間といった休み方も可能となり、業務に影響の少ない有給取得も可
能となるだろう。
いずれにしても労使間の話し合いが必須であり、労使双方にとって
より効率的で働きやすい環境作りが必要となる。
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◆「 目安を持って運営する 」◆
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他人から道を聞かれて教える場合は、目的地までの途中にある建物・
橋・交差点・看板等を目印にすると分かり易いものである。また、結
婚相手を決めるような場合も、自分とのバランスを考えつつ希望する
顔・体型・性格・収入等の基準を持っている人は、早く相手を見つけ
るのではなかろうか。
商売の工夫(やや大げさに言えば経営ビジョン)も同様で、品揃え・
接客・取引先の選択・人の採用等それぞれの分野の方針を考える時に
運営の目安を持っていれば、決断も早く確実な実行に結び付くもので
ある。人口30万人の中心駅前通りで金物店を経営するA社長は5代
目である。先代からずっと言われ続けたことは、どんなに商売が厳し
い時も、身近な顧客を大事にして工夫をすれば必ず生き残るというこ
とだった。
A社長は、ホームセンターの進出によって売上が低迷するようにな
ると、商品構成や顧客ターゲット等の方針を変更した。品揃えと商圏
の差別化を打ち出し、定番商品を絞ると共に、地域顧客を対象に調理
包丁研ぎサービスとカギ交換サービスを導入した。結果、近隣の顧客
が毎日入れ替わり包丁を持って多数来店するようになった。
顧客から選ばれる店舗の条件について目安を持って運営している経
営者は、どんな厳しい時代も乗り切って行くようだ。