■■ Weekly Fax News 571 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 インフルエンザのパンデミック前に 」
(2)「 掛売りの見切り時 」
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◆「 インフルエンザのパンデミック前に 」◆
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かねてから新型インフルエンザの大流行が起きた場合に備えて、企
業として対応策を講じるべきであるとの指摘があったが、具体的な対
応策を構築しているのは一部の大企業にとどまっており、中小企業で
はまったく検討していないことも珍しくない。
しかし、メキシコを起点とする新型インフルエンザの世界的大流行
が起こりつつある現状を見て、新型インフルエンザの大流行が絵空事
ではなく、現実に起こり得ることであることを痛感し、企業としての
対応策の必要性を再確認している経営者も少なくないようだ。
今回、流行している新型インフルエンザウイルスは豚由来のH1N
1型と呼ばれるタイプだ。以前から警戒されている鳥インフルエンザ
ウイルスは強毒性だが、一般にH1型のウイルスは弱毒性とされてい
る。
実際、日々感染者が増え続けているが、弱毒性のためか世界的規模
で死者が発生しているわけではない。いずれにしろ日本でも流行がい
つ起きるかわからず、多くの社員が突然休暇を取ることも起こり得る
し、社員が社内のみならず、社外の関係者や顧客に感染させることも
考えられる。不要不急の海外出張の延期、体調不良の場合の社内的な
報告体制やマスク着用推進など、できることから対応策を構築し、新
型インフルエンザの流行に備えておくべきだろう。
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◆「 掛売りの見切り時 」◆
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商売人であれば、掛売りの回収(料金の滞納等も含めて)に悩まな
い人はほとんどいない。一見客の場合はその対処が比較的早く決めら
れるが、長期の馴染み客の場合は長く悶々とするものである。
売掛金回収に関して、こんな経験はないだろうか。「こちらの大変
な状況はよく分かって恐縮ですが、我が社も苦しい状況でして・・・」
と腰を折って、請求に回る姿である。親しい友人や親戚に貸し金を請
求するようで、罪悪感を感じることもある。
掛売りの回収は、問題が発生すると親しい人ほど難しくなる。昔か
らの教訓として珍しくないが、例えば井原西鶴『日本永代蔵』巻五に、
「万の売掛するとも、その人と次第に懇ろにならぬように常住の心入
れ、商人のひみつなり」(よろずの物を掛売りしても、その人と次第
に親しくならないように常に気をつけることが商売人のコツだ)とあ
る。馴染み客ほど、売掛金が膨張する。
もっと困るのは、掛売り請求と今後の取引継続の見切り時である。
「過去の取引実績」に未練が残って、思い切って取引先を切り捨てる
決定が難しいのである。
苦渋の決断であるが、当社に対する相手の支払優先順位が信頼出来
なくなれば、掛売り代金の法的請求と取引継続の見切り時である。掛
売り残高が嵩む前に見切りたい。