■■ Weekly Fax News 575 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 従業員の裁判員対応 ― 法務省・厚労省が統一見解 」
(2)「 遠くを謀る 」
―――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 従業員の裁判員対応 ― 法務省・厚労省が統一見解 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
既報の通り、裁判員になった場合、時間的な拘束に対して所定の額
の日当が支給されることとなる。裁判員になるために有給休暇を取得
する、別途設けられた有給の特別休暇を取得するなど、さまざまなケ
ースがあるが、いずれにしても社員が有給の休暇中に日当を受け取る
ことに違和感を訴える企業も少なくない。
裁判員法上は企業の労務管理について詳細に既定しているわけでは
なく、企業にその対応を任せているのが現状だ。そのため、法務省や
厚生労働省には問い合わせが急増、両省において統一的な見解が出せ
るよう協議を続けていた。
先般、両省により労務管理についての見解がまとまった。それによ
ると、裁判員として受け取った日当を企業に納めさせることを否定し
ておらず、「給与を超える額の日当を納付させることはできない」な
どとしている。たとえば、有給休暇中の日給額が20,000円の従
業員が裁判員の日当として10,000円を受け取った場合、その日
当を会社が納付させることも可能になるわけだ。もちろん、その場合
には社内規定に所定の項目を設ける必要があることは言うまでもない。
また、裁判員に選ばれたことを社員が企業側に報告する義務を課す
ることもできると、見解では明らかにされている。
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 遠くを謀る 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
「遠くを謀る者は富み、近きを謀る者は貧す」と言う。目の前の利
益のみ求めて先々の収穫を準備しなければ、一度の収穫で尽きてしま
うのである。安定した収穫は、春に種を蒔き、肥料を施し、雑草を除
き等々しなければ、秋の収穫が出来ないのである。
X社(建設機械の販売)のA社長から、営業成績の不安定について
の相談を受けた。営業マンの成績にバラツキがあり、職場定着率も悪
いという(入社2年未満が半数)。
例えば、B社員は最初の半年間はトップの成績を獲得したが、その
後は全く売れなくなり、1年足らずで退社してしまった。C社員は入
社5年であるが、成績にムラがあり、未だ優良な顧客を得られない。
他の社員も安定した成績を上げられない。
A社長の話を聞いて気づいたことは、計画的な営業展開(潜在顧客
の情報収集、新規顧客獲得の各種戦略等)をビジョンとして持ってい
ないことであった。単に売れそうな顧客の所に行くという、目先の利
益しか追求していないのである。訪問をしても機械の売込みのみにエ
ネルギーを注ぎ、顧客の設備投資方針等にじっくり耳を傾けていない。
営業にも、農作物等と同様に田畑の手入れ、種蒔き、肥料や耕作、
収穫に励む時期がある。遠くを謀り、顧客の立場で行動すれば必ず安
定した収穫が出来る。