■■ Weekly Fax News 577 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 中小企業白書 ― ワークライフバランス 」
(2)「 気分が乗らない仕事 」
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◆「 中小企業白書 ― ワークライフバランス 」◆
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昨年来の景気悪化で人員削減など雇用環境は厳しい状況にあるが、
中長期的視点に立てば、人材の確保と育成は中小企業にとって重要な
経営課題といえる。特に、仕事と生活の調和(ワークライフバランス)
をいかに図るかは、重要な課題と言えそうだ。
労働時間の長短はワークライフバランスを考える上で重要だが、中
小企業は大企業に比べて休日が少なく、労働時間は多くなる傾向にあ
るが、中小企業でも休日に対する満足度が高いとワークライフバラン
スが取れているとする割合は高まっていく。
ワークライフバランスを阻害する要因としては、人員に余裕がない・
業務量が多い・休暇が取りにくい等が上位を占めている。一方、ワー
クライフバランスを図る為に必要な取り組みとして、企業側は従業員
の意識改革を、従業員側は経営者・管理者層の意識改革を求めるなど、
その認識には大きなギャップが存在している。
中小企業は大企業に比べて制度面での調整は十分ではないが、中小
企業ならではの柔軟な対応で従業員の仕事と生活の調和を図っている
状況が窺われる。従業員が「ワークライフバランスが取れている」と
感じている割合の高い中小企業は高い収益をあげている割合が高いこ
ともあわせると、従業員のワークライフバランスを高める取り組みの
重要性は意識されるべきと言える。
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◆「 気分が乗らない仕事 」◆
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「若者はなぜ、催促されないと頼んだ仕事も報告しないのでしょう
か」これはX社(食品卸業)のA社長の嘆きである。A社長が社員の
言い訳を聞いてみると、「日々の仕事に追われて、何となく先延ばし
にしてしまう」「慣れない仕事は難しそうで、どこから手をつけるか
分からない」「交渉の相手や社内の仲間と気が合わないと気分が乗ら
ない」「自分の本来の仕事と違うようで、着手が出来ない」等の答え
が返ってくると言う。
A社長には、部下への命令に際して、優先順位の高い仕事であるこ
と、明確な遂行期限を付けること、会社として成果を期待しているこ
とを話すようアドバイスした。
ところで、特に「気分が乗らない」という言い訳には注意が必要で
ある。元々労働意欲が低い社員の場合はともかく、やや規模の大きい
仕事や馴染みのない仕事は、一般に誰でも自分に出来るか不安である。
まじめに取り組む姿勢のある社員ほど、困難な結果を予想して尻込み
し、直ぐ着手出来ないで無駄な時を過ごすものである。
このような場合は、命令者が一緒に取り組む姿勢を示し、遂行計画
を協議したり、必要であれば補助者を付けて仕事を分担したり、交渉
の相手先を紹介したりする等が有効である。また、経過報告を細かく
求め、遂行状況に強い関心を示すべきである。