■■ Weekly Fax News 578 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 育休法改正案、成立 」
(2)「 定着率の良い職場とは 」
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◆「 育休法改正案、成立 」◆
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今国会に提出されていた改正育児・介護休業法案が成立した。一部
を除いて1年以内に施行されるため、企業においては予め改正に対応
できるよう準備が必要となる。
改正により3歳未満の子供がいる従業員を対象にした短時間勤務と、
残業を免除する制度が企業に義務付けられる。また、父親の育児休暇
の取得を促進、違法行為に対する厚生労働大臣の勧告に従わない場合
には企業名が公表されることとなる。
さらに政府原案にはなかった育休切り対策も付帯決議に盛り込まれ
た。育児休業取得を理由とした解雇など不利益的な取扱いを防止する
ため、育児休業取得を申し出た従業員に対し、予め休業期間を明記し
た書面を交付するように企業側に求めるとする厚生労働省令の改正に
ついて記載された。
先月も大手企業の子会社で育休を取得した社員に対する降格・減給
が法的に問題であると従業員が会社を提訴するなど、育児休業の取得
を巡っては労使間のトラブルとなる事例もすくなくない。各都道府県
の労働局への相談件数も激増している状況だ。
出産したら働けない会社などというレッテルを貼られてしまっては、
有能な従業員の定着も困難となる上、法的にも処罰の対象となりかね
ない。早い段階で、改正法に適合できるように諸制度を変更すること
が望まれる。
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◆「 定着率の良い職場とは 」◆
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人が生活の基盤を決める際は、「地の利」(何処に住む、何処に就
職する、等所属する場所や組織)が大切と言われる。坂本龍馬が土佐
を脱藩したのは、地の利の重要性に気づいたからだと聞いたことがあ
る。会社に勤めている者が、今の場所に居続けることに疑問を抱くの
はよくあることだ。
経営者との対話において多いテーマが、従業員の定着率改善である。
定着を期待しながら社員教育しても、試用期間が終了する頃には転職
を検討している人が珍しくない。原因は、人間関係のもつれ、仕事の
困難性や倦怠等区々であるが、その多くはやりがいと給料等待遇への
不満である。
計画的に熟慮すれば、転職は人生における有効な転機になるであろ
う。しかし現状の給料や賞与が他社よりも少し低いとか、休憩時間が
短いとかの理由だけで転職を繰り返すことは賛成できない。このよう
な人を見ると、足し算の途中で何度もご破算をしている姿を連想して、
誠に残念である。
結局、定着率の良い職場とは、そこに居続ければ「小を積んで大を
為す」と実感出来ることではなかろうか。しかも、仕事上の成果だけ
でなく、受け取る給料や地位肩書き等によって生活基盤が築けること
である。定着率の改善には、従業員から歓迎される地の利を構築する
ことが大切である。