■■ Weekly Fax News 592 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 民間給与実態 ― 統計調査公表 」
(2)「 自分の境遇を自覚する 」
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◆「 民間給与実態 ― 統計調査公表 」◆
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国税庁は毎年、民間給与統計調査を行っている。この調査は、民間
企業に勤務する労働者の年間の給与の実態を調査するもので、国税庁
としてはその調査結果を租税収入の見積や租税負担の検討資料とする
ことを目的としている。
この調査では、中小企業から従業員数が5,000人を超えるよう
な大企業まで、幅広く調査を行っているため、前述のような租税関係
の資料としてのみならず、景気動向の判断にも利用されることが多い。
調査結果によると、平成20年12月31日現在の給与所得者数は
5,474万人で対前年比1.8%増、97万人の増加となった。平
成20年中に支払った給与総額は201兆3,177億円(対前年比
0.0%増)となり、ほぼ前年並みという結果となった。給与所得者
の平均給与は430万円(対前年比1.7%減)で、76,000円
の減少となり、10年前の平成10年分の平均給与と比較すると10
年間で35万円減少していることがわかった。
業種別の平均給与で最も高いのは「電気・ガス・熱供給・水道業」
で675万円、以下「金融業、保険業」の649万円、「情報通信業」
の616万円が続いている。なお、最も低い業種は、「宿泊業、飲食
サービス業」で250万円。
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◆「 自分の境遇を自覚する 」◆
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地方中核都市の商店街で和菓子店を経営するAさん(50歳)の経
歴寸話をしてみたい。
和菓子店の一人息子Aさんは、地元の高校を卒業して都内の有名和
菓子店に勤めたが、自分の仕事という意識が持てず、何となく他の職
業に憧れを抱くようになった。
数年して服飾デザイナーの専門学校に入学し、そこを修了して某婦
人服メーカーに就職したが、そこでは思うような部署に配属されず日
々悶々と過ごしていた。
ところが、偶々休暇で実家に帰っていた時、気まぐれで作った創作
和菓子が地域で注目され、毎月2日ほどは実家を手伝うようになった。
つまり、会社の仕事よりも和菓子店の仕事の方が面白く感じられるよ
うになったのである。
今、Aさんは数人の従業員を雇って、自らも和菓子職人として張り
切って働いている。「先祖伝来の血統ですかね。服飾デザイナーの素
質は全く無かったようですが、菓子作りには多少の素質が有ったよう
です」と、Aさんは素直に心境を語る。
自分の仕事や境遇は、最初辛い部分のみが見える(逆に他人の仕事
は楽しい部分のみが見える)。しかし、他の仕事をいくつか体験して
みると、自分の元来の境遇として与えられた仕事の面白さや奥深さが
自覚できるようになるものである。