■■ Weekly Fax News 591 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 【インターネット最前線】― 安心をお金で買う 」
(2)「 若者の就職難 」
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◆「 【インターネット最前線】― 安心をお金で買う 」◆
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「安心をお金で買う」・・・一昔前の保険のキャッチフレーズのよ
うだが、実はインターネット業界においても、知らず知らずのうちに
安心をお金で買っているケースも少なくない。例えば、システム構築
や運用保守を委託する場合、あるいはホームページの制作を委託する
場合、数社の見積を取得したが、見聞きしたこともない企業よりは、
少し割高だが知名度のある企業、あるいは既に取引のある企業に委託
することにしたという経験はないだろうか。
確かにビジネスにおいては信用が第一であるが、SI業界や制作業
界においては、全てがそうではないにしても特に会社の規模が大きく
なればなる程、アウトソーシングしている場合がほとんどだ。ところ
がSI業界においては、アウトソース先を辿っていくと最終的には中
国企業だった、制作業界においても最終的にはSOHOの個人事業主
だった、というケースもある。勿論費用面については、元請けと下請
けや孫請けとは歴然の差がある。
では孫請けに委託すればコスト削減になるのかというと、その分お
金以外のリソースが割かれるので一概に判断はできないが、大事なの
は、業務委託における対価が妥当であるのかを口利きする能力、そし
て委託先をマネージメントする能力を有しているかどうかである。お
金を払って得られる安心は所詮、砂の楼閣にすぎない。
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◆「 若者の就職難 」◆
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今や働き盛りの人々、特に若者の就職(ここでは正規の社員になる
こと)が、この10年でもっとも困難な時期になっているようだ。大
卒、高卒等の学歴に拘わらず、パート・アルバイトはともかく、正社
員に応募しても簡単には採用されない。充分な経験や職務能力等の即
戦力が求められるのである。
先頃、筆者の指導関与先の卸会社(正社員10人)がセールスドラ
イバーを1人募集したところ、50人程から問い合わせがあり、その
内20人が面接に来た。そのほとんどが大卒の20代又は30代で、
全般的に見れば全員が合格点であった。経営者から「2人採用しては
いけませんか」と相談されたが、惜しみつつも1人に絞って採用した。
会社としては応募者が多く嬉しいと思う反面、経営者と筆者は、何故
多くの有能な若者が不安定な零細企業に押し寄せなければならないの
か、悲しい気分にもなった。
企業発展力の理想を言えば、人間性や基礎学力のしっかりした若者
を採用して、時間を費やして社風にあった人材を育成していくことが
必要だ。ところが今はそのようなゆとりが無く、その時々のニーズに
合った人のみを採用している会社が多いのである。
早く、即戦力のみに偏らない、やる気と基礎力をしっかり持った若
者を積極的に採用するような会社が増えて欲しいものだ。