■■ Weekly Fax News 596 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 賃金不払い残業の是正指導 」
(2)「 経営の不安とその活用 」
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◆「 賃金不払い残業の是正指導 」◆
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不況の影響による業績の低迷が続いており、人件費を削除したい、
資金繰り的に割増賃金など支払える状況ではないという企業も少なか
らず存在している。そのため、結果的に賃金不払い残業、いわゆるサ
ービス残業を労働者に強いている企業が頻出している。
厚生労働省では、そのような企業の対応については厳しく対処する
方針を掲げており、労働基準監督署などによる定期監査や申告監督が
行われ、その結果、賃金不払いが発覚するケースも多い。
同省が発表した2008年4月~2009年3月までにおける賃金
不払いについての是正指導状況によると、労基署などの監査が入った
結果、企業側に賃金不払い(1社当たり100万円以上)が認められ、
是正指導を受けた企業は1,553社となった。結果的に賃金不払い
になっていた従業員は約18万人、1,553社により支払われた割
増賃金の合計は196億円、1企業平均1,263万円という結果だ
った。賃金不払いが発覚し、もっとも多額な支払いを指導された企業
では14億7,482万円の支払いとなった。
従業員による労基署などへの相談件数も増えており、安易な賃金不
払い残業は行政から指導を受けるリスクが非常に高いと言えるだろう。
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◆「 経営の不安とその活用 」◆
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世の中には多くの不安があるが、病気の不安、老後の不安、対人関
係の不安等と並んで、経営者にとっては「経営の不安」が大きな問題
である。一体、経営者が抱く不安はどのようにして乗り越えてゆける
のか。
「今はともかく、先のことを考えると夜眠れなくなります」これは
経営者がよく言う事である。問題は、「心配事は考えないようにすれ
ばますます不安が高まります。どうすべきでしょうか」というもので
ある。
仲間や友人等の助言として、「気を大きく持って、明日を心配する
な」「将来の不安は忘れろ」等があるが、人は不安になると考えずに
いられないものだ。不安の時に心配してはいけないと考えれば、精神
が葛藤を起こして不安はますます強まる。
そこで、近い将来に不安があればむしろ真剣に心配し、何が問題点
か、何が原因か、その解決策は何か等を探ることが一番だ。中期の行
動計画が立てられれば一層良い。不安から逃れるのではなく、不安を
調査分析して、今後の作戦を練るのである。
経営に不安を持つことは、病気の不安を抱いて健康作りに励むよう
に、自社の問題点や弱点に気付くことであり、経営改善や計画づくり
の出発点になるのである。
経営の不安を、ぜひ経営改善のアイデア誕生に活用しようではあり
ませんか。