■■ Weekly Fax News 595 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 最低賃金の時給額確認 」
(2)「 おもてなしの心 」
―――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 最低賃金の時給額確認 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
今年度の地域別最低賃金が9月30日から発効している(一部地域
については、以後順次10月31日までの間に発効)。改訂により、
全国平均の時給は713円となった。最高額は東京都で791円、最
低額は佐賀県・長崎県・宮崎県・沖縄県の629円となり、地域間格
差は拡大傾向にある。新潟県と岐阜県は前年度から据え置きとなった。
周知の通り、最低賃金は企業が労働者に支払う義務のある最低限の
賃金を意味する。法律上は時給で定めることとなっているが、企業の
人材募集広告などでは日給や月給を明示する場合も少なくない。
日給により賃金を定めている場合、これを所定労働時間で割り、時
給に計算し直してから最低賃金を超えているかどうかを確認する必要
がある。たとえば、8時間労働で日給6,000円の場合、時給は7
50円となる。この会社が東京都にある場合、地域別最低賃金を下回
ることとなる。月給で賃金を定めている場合でも、同様の確認が必要
である。
景気の低迷による業績悪化などもあり、従業員への給与は抑制傾向
にあるが、最低賃金を下回る賃金で雇用契約をしたとしても、最低賃
金との差額を支払う義務がある上、上限50万円の罰金が科せられる
こともあるので注意が必要だ。
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 おもてなしの心 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
ある地域の観光施策調査に伴い、地域内の某寺A住職のお話を聞く
機会を持った。
当地域の観光資源は何ですかと質問したところ、「観光活性化にと
って街並み整備、歴史的産物、文化財なども大事だが、もっと大事な
ものは、観光客をもてなす心だね」と、確信的に答えた。さらに、
「観光による貢献と言うと商業やサービス業の隆盛に結びつけるが、
もっと大きな貢献は市民の文化度や教育レベルのアップだと思う」と。
観光客は単に見学だけに来ているわけではなく、「見たり、食べた
り、体験したり」して観光気分を味わっている。A住職は、地元の人々
との触れ合い、親切にもてなすという接遇、それらに感動する情緒が
必要と言う。A住職の寺などにおいても、親切で開放的なお迎えだけ
でなく、合掌してお見送りをする。このような接遇で、観光客は繰り
返し来てくれるそうだ。
現在、外国から日本に来る観光客は、日本から外国旅行に行く人数
よりずっと少ないが、国民全体としては外国人観光客を親切にもてな
そうとする心遣いが少し不足しているのかもしれない。
また観光サービスに限らず、販売店等(全ての事業所)においても
「おもてなしの心」をしっかり持って接遇すれば、客はその場所に引
き寄せられて行くものであろう。