■■ Weekly Fax News 602 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 10年後の日本 」
(2)「 他人の力 」
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◆「 10年後の日本 」◆
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10年前、このコーナーで「100年後の日本」というコラムを書
いた。その時の予想が当たるかどうかは今は分からないが(例えば、
「日本人で日本語が読み書き出来ない人が半数になる。反面、大抵の
人が英語やフランス後を話せるようになる」など)、今回は10年後
(西暦2020年頃)の日本の様子をやはり少々独断と偏見で夢想し
てみた。
1.日本に500万人程度の外国人が仕事のために移住して、対応策
として国に「民族庁」のような官庁が生まれる。
2.通信販売で買い物をする人が急増し、小売店の数が全国で計10
0万店を割り込むようになる(ピークの昭和57年は計約172
万店、平成16年は計約124万店、平成19年は計約114万
店)。
3.高校が義務教育化する。20年程度を要すると思うが、大学入学
条件は資格試験制になる。入学許可は面接と書類選考で行ない、
学年毎の転校も自由になる。
4.消費税率が8%になっている。さらに10~15%へ引上げが検
討されている。
5.公的年金の掛金が全額税金によって賄われ、それまで保険料を払
っていた人は60歳になった時に、退職一時金のように全額まと
めて支払われる。
さて、あなたは10年後の日本に対して、どのような予想をされま
すか。
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◆「 他人の力 」◆
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人の体に自然治癒力があるように、会社等の組織にも同様の機能が
あるのではないか。自己の力で困難を乗り切る作用である。
人が病気に罹った場合、医療や薬を活用することは有効であるが、
自己の快復力を信じないで全て他人の力で治してもらおうという態度
は治療上問題と言われている。
同じように経営者等が経営上の問題を抱えた場合も、他人の力のみ
を当てにすることは困る。例えば、資金繰りが困難になって、銀行融
資を申し込むような場合である。
筆者が5年間経営指導をしているX社(食品販売業)のA社長の件
である。最初、多忙と不慣れを理由に、A社長は融資申込が必要にな
ると当方に申込書を送り、書類作成と銀行への説明を依頼していた。
やむを得ず最初だけは引き受けたが、資金繰りの重要性を認識して頂
くためにも書類作成や説明をA社長中心に行うことを求めた。
初期の頃は経営指導に対しても少し不満を持ったようだが、現実に
資金繰りの厳しさを自覚するとともに、銀行担当者とのやり取りに真
剣に取り組むようになった。最近では、「今まで自分にこんな力があ
ることを知らなかった。」と言うようになった。
他人の力を活用するのは良い。しかし、他人の力のみを当てにする
と、自己の力を十分に発揮出来なくなることも確かである。