■■ Weekly Fax News 605 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 労働者派遣業の倒産 ― 過去最多の83件 」
(2)「 実施しながら見直す 」
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◆「 労働者派遣業の倒産 ― 過去最多の83件 」◆
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労働者派遣業の倒産が顕著に増加している。東京商工リサーチの統
計によると、2009年1月から11月までの労働者派遣業の倒産件
数は、前年同期比29件増、53.7%増の83件(前年同期54件)
となり、過去最多となった。4年連続の前年比増加となる。
また負債総額は、前年同期比92.7%増の86億800万円にの
ぼり、負債額別では、負債10億円以上の大型倒産が1件、1億円未
満は62件で全体の7割を占め、負債の小規模な企業が大半を占めた。
原因別では、販売不振が67件(前年同期27件)となり前年同期
比約2.5倍と増加が目立った。企業業績の悪化から派遣スタッフを
整理する、いわゆる「派遣切り」が行われ、人件費が安いパート・ア
ルバイトにシフトが進んだという。また形態別では、破産が同50.
0%増の72件で全体の約9割を占めた。これに対して再生型(会社
更生法、民事再生法)は無く、厳しい経営状況を反映した形だ。
派遣スタッフ実稼働者数は、全地域にて対前年同期割れとなり、深
刻な状況が続いているという。特に製造業務の実稼働者数が落ち込ん
でいる。派遣法改正をにらんでの企業側の手控えもあって、今後も労
働者派遣市場は厳しい状況が予想される。
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◆「 実施しながら見直す 」◆
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あるリサイクルショップチェーンから接客改善指導を求められた時
のことである。
現場診断により分かったことは、店員の接客用語や商品説明等が不
統一であった。店員の接客能力や販売能力にも大きなバラツキが見ら
れた(マニュアルはなかった)。
そこで、接客販売マニュアルによる店員行動の統一を提案した。と
ころが、幹部社員を中心に、「わが社の店員レベルはそのような定型
的な接客には不慣れで、退職者が増える心配がある」という意見が出
た。社長は最初迷っていたが、何らかの改善策を実施したいという意
志が強く、マニュアルを作成してとにかく始めることにした。
まず幹部社員対象の研修を行ったが、「部下はこのようなマニュア
ルに馴染めないだろう」という感想や反対意見もかなりあった。この
際も社長の実施意欲が強く、実際の売場において部下への実践指導を
開始した。結果は8割以上の店員は約2週間でマスターし、2ヶ月後
にはほぼ定着した。
「物には三寸の見直し」(出典:西鶴諸国ばなし、巻一)という言
葉があるが、最初のうちは欠点を大目に見て努力していれば、やがて
完成に近づくものである。前掲の店舗では、現在マニュアル無しの店
舗運営は考えられず、各種マニュアルを作成・活用して接遇の向上と
業績展開を図っている。