■■ Weekly Fax News 607 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 22年度税制改正大綱 ― 住宅取得等資金の贈与税等 」
(2)「 直言は諸刃の剣 」
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◆「 22年度税制改正大綱 ― 住宅取得等資金の贈与税等 」◆
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住宅着工戸数が低水準で推移する状況を踏まえ、高齢者の保有する
金融資産を活用し、若年世代等の住宅取得支援に向け、贈与税に関す
る措置が拡大された。
・非課税限度額(現行500万円)を、直系尊属から住宅取得等資金
の贈与を受けた場合の贈与税非課税措置について、非課税枠を平成
22年に1,500万円、平成23年に1,000万円に拡大する。
このとき適用対象となる者を受けた年の合計所得金額が2,000
万円以下の者に限定する。
※適用期限は平成23年12月31日(現行平成22年12月31日)
までとする。
・住宅取得等資金の贈与に係る相続時精算課税制度の一般枠2,50
0万円について、特別控除の上乗せ(現行1,000万円)の特例
を廃止し、65歳未満の親からの贈与も対象とする特例措置を2年
間延長する。
・特例認定長期優良住宅の所有権の保存登記等に対する登録免許税の
税率の軽減措置について、その適用期限を2年間延長する。
・マンション建替事業の施工者等が受ける権利返還手続き開始の登記
について、適用対象から施工再建マンションに関する権利について
必要な登記を除外した上、その適用期限を2年間延長する。
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◆「 直言は諸刃の剣 」◆
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組織で上司と部下の関係を経験した者であれば、恐らく誰でも思い
当たるであろう。「あの時上司の間違いを直言したことは一生の不覚
であった」「部下の将来を心配して、欠点を指摘したのに心底嫌われ
た」等、と。
X社の経営会議に助言者として出席した時のことである。ここで社
長(82歳)は引退の検討を表明し、次の役員会で序列に従い専務
(社長の甥)を社長に使命するつもりであった。ここ数年X社は大き
く成長していたが、扱い商品の主力が大きく変化して社長は体力や判
断力に不安を抱いていた。
さて、間の悪い事に会議の冒頭、専務が発言を求めて、社長の高齢
を理由に今後の経営体制の変更を主張したのである。元来は穏やかな
社長が大いに怒り、専務は退場を命ぜられた。半年後に、社長は常務
(社長の次男)を次期社長に指名した。
この人事を第三者が批判することは簡単である。しかし、専務にも、
社長にも言い分があろう。専務は会社の将来を案じて思い切って正論
を言い、自己の利益を主張したつもりはない。社長は、高齢だから引
退すべしと言われて面白くない。
直言というのは、事実で正しい事でも、人から言われると不愉快で
ある。直言されて、発言した相手の評価を一層高めるようなトップは
稀有な人物である。