■■ Weekly Fax News 609 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 22年度税制改正大綱 ― 中小企業支援措置の2年延長 」
(2)「 少数派に就く 」
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◆「 22年度税制改正大綱 ― 中小企業支援措置の2年延長 」◆
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中小企業の経営を後押しする課税の特例措置が、以下の通り2年延
長される。
(1)中小企業者が一定の設備投資やIT投資等を行った場合に、税
額控除(7%)または特別償却(30%)の選択適用を認める措置に
ついて、将来的に対象設備の見直しを行うことを前提に、現行制度の
まま2年間延長される。
(2)中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
の適用期限が2年間延長される(所得税も同様)。
(3)交際費等の損金不算入制度について、その適用期限を2年間延
長するとともに、中小法人にかかる損金算入の特例の適用期限が2年
延長される。
(4)中小企業者以外の法人の欠損金の繰戻しによる還付の不適用措
置の適用期限が2年延長される。
(5)試験研究を行った場合の特別税額控除制度において、試験研究
費の増加額にかかる特別税額控除(増加型)または平均売上金額の1
0%を超える試験研究費にかかる特別税額控除(高水準型)を選択適
用できる制度の適用期限が2年延長される。
(6)中小企業者が機械等を取得した場合の特別償却または特別税額
控除の適用期限が2年間延長される。
※いずれも平成24年3月31日まで適用。
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◆「 少数派に就く 」◆
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戦国時代は徳川家康によって完全に終結するが、その偉さの要因は
不屈の精神や生まれながらの天運だけではないようだ。ある書物の中
に、その一端を見出した。
家康が子供の時、河原に行ったら子供の二群が戦(石撃=いしぶち)
をしていたが、家来に命じて人数の少ない方を手伝ってやれと言った。
「これが徳川家康のエライところであります。それでいつでも正義の
ために立つ者は少数である。それでわれわれのなすべきことはいつで
も少数の正義の方に立って、そうしてその正義のために多数の不義の
徒に向かって石撃をやらなければなりません。(中略)私の望むのは
少数とともに戦う意地です。その精神です。」(出典:内村鑑三『後
世への最大遺物』岩波文庫)
仕事や学問等はその時の潮流に乗ることも大事だが、他人がやるか
ら自分もやる、他人が行くから自分も行くでは、大事業は出来ないと
言われる。他人がやる前にやるか、他人が行く前に行かねば大きな獲
物はないということだ。障害があればあるほど、それを乗り越えた時
は大きな成果がある。
例えば、漢方医中心の時代にオランダ医になる、ほとんどの菓子屋
が饅頭やダンゴを作っている時にケーキを作る、馬車や人力車を作っ
ている時に自転車を作る等は、少数派が大事業を成した典型である。