■■ Weekly Fax News 616 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――
(1)「 H21セーフティネット貸付 ― 対前年比2.4倍 」
(2)「 海外進出の理念 」
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◆「 H21セーフティネット貸付 ― 対前年比2.4倍 」◆
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株式会社日本政策金融公庫(略称:日本公庫)はこのほど、平成2
1年度のセーフティネット貸付実績を公表した。「セーフティネット
貸付」は経営環境等の悪化に伴い資金繰りに困難をきたしている中小・
小規模企業や農林漁業者を支援する特別貸付制度。平成21年度にお
ける融資実績が、前年度に引き続き過去最高を更新し、5兆1千億円
(対前年比2.4倍)となった。セーフティネット貸付融資額の対前
年比推移は以下の通り(国内3事業計:平成22年3月末 速報値)。
○19年度 12,171億円
○20年度 21,187億円(174%)
○21年度 51,276億円(242%)。
同貸付制度については、政府の経済対策を踏まえ、中小・小規模企
業にむけた資金繰りを支援するため、取扱い期限の延長や金利引き下
げ等の制度拡充を行っている。
同制度は、(1)経営環境変化対応資金(2)金融環境変化対応資
金(3)取引企業倒産対応資金、に分けられ、(1)は中小企業事業
に対しては貸付限度額が7億2,000万円(2)は3億円(別枠)
(3)は1億5,000万円(別枠)。貸付期間は(1)(2)の運
転資金の場合8年以内(措置3年以内)、設備資金は15年以内(同
3年以内)、(3)は運転資金8年以内(同3年以内)、となってい
る。
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◆「 海外進出の理念 」◆
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最近、新田次郎著『アラスカ物語』(昭和49年新潮社刊)を読ん
で、主人公フランク安田の生き方に感動した。フランク安田(安田恭
輔)は、明治元年宮城県石巻町生まれ。米国沿岸警備船でアラスカに
行き、エスキモーと結婚して90歳で亡くなるまで、金鉱開発や村づ
くり等を通してエスキモーの救援に尽くし、アラスカのモーゼと仰が
れた。
以下は、海外進出の理想論かもしれない。日本に限らず、現代は新
たな需要や効率経営を求めて、海外に進出する企業が盛んである。勿
論、進出先の地域にも国土整備や雇用創出等の恩恵があるが、一般に
企業が現地に留まっている条件は、企業としての収益性と発展性が有
るか否かである。少なくても、進出先の救援が主目的ではない。
知人のAさんは、10年前に日本での財産を全て整理して家族ぐる
みで台湾に渡り、現地で従業員を雇用して生花栽培業を営んでいる。
海外進出ではなく、海外移住である。最近は、Aさんは隣人や従業員
から慕われ、「外国人」扱いされないそうだ。
実は大企業のように目立たないが、今やAさんのような家族や団体
等が世界中に多数存在する。中小企業が工場や従業員を全て海外へ移
転したという報道も時々聞く。個人や企業が、外国の何処かに拠点を
移して活動することも一つの生き方である。