■■ Weekly Fax News 628 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 遺族年金の二重課税取消し ― 過去5年間所得税減額更正 」
(2)「 境遇に合わせる 」
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◆「 遺族年金の二重課税取消し ― 過去5年間所得税減額更正 」◆
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さきの最高裁判決において判示された、遺族が年金形式で受け取る
生命保険金に対する、相続税の課税対象となった部分についての所得
税の課税取り消しに関して、国税庁は今後の対応を公表している。
野田財務大臣から、
(1)今般の最高裁判決については謙虚に受け止めて適正に対処して
いく
(2)これまでの解釈を変更し、過去5年分の所得税については更正
の請求を出してもらい、それを経て減税の更正をしていく
(3)5年を超える部分の納税の救済については、制度上の対応が必
要になり今後子細に検討していく
(4)生命保険年金以外にも今回の判決を踏まえて対応が必要なもの
は、具体的には政府税調の中で議論をして来年度の税制改正で
対応することも視野に入れる、
等の方針がだされた。
国税庁は、上記の方針により、これまでの法令解釈を変更し所得税
額が納めすぎとなっている過去5年分の所得税については、更正の請
求を経て減額更正を行い返金していく。具体的な対応方法については、
確定しだい国税庁ホームページや税務署の窓口などにおいて、適切に
広報・周知を図っていくこととしている。
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◆「 境遇に合わせる 」◆
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楽な境遇が続くと、次に楽でない境遇が来るものである。その逆も
ある。つまり、人の暮らしや社会経済の境遇は苦楽が循環するものだ。
境遇の転換を急ぎ過ぎて害になることもある。時には、境遇に合わせ
た、抑制した行動の選択が賢明である。
X社(広告代理業)のA社長は体調を崩して、医者から自律神経失
調症という診断を受けた。2年程前から会社の業績が悪くなり、重要
な取引先との関係をより緊密にする努力をしていた。取引先関係者の
冠婚葬祭への出席は当然、企業訪問も頻繁に行った。また、これまで
社員任せにしていた仕事であっても、社長自ら出向いた。
最初は社長の積極的活動によって業績がやや回復したが、それも半
年程で止まってしまった。取引先の多くは業績が低迷していたからで
ある。やがて、社長の行き過ぎた接待や営業活動が、強引な売込みと
して取引先から敬遠されるようになった。
筆者はX社の境遇と今後の対応について社長と話し合った。会社の
境遇を冷静に観察すると、回復を急ぎ過ぎたことに気づいた。体調を
崩した社長は、仕事量を半減することによって落ち着きを取り戻した。
取引先との付き合いを減らして、取引先の需要回復を待つことにした。
境遇に合わせた活動によって、社長の体調は回復しつつある。