■■ Weekly Fax News 627 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 新しい就労形態ボラバイトと注意点 」
(2)「 報酬による動機付け 」
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◆「 新しい就労形態ボラバイトと注意点 」◆
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無償でのボランティアを行っても生活をするための金銭を得ること
はできないことは言うまでもない。そのため、我が国においてボラン
ティアを行う人は、学生や専業主婦、定年後の高齢者といった層が中
心になっている。
最近注目されているのがそのような無償のボランティアと有償のア
ルバイトを組み合わせたボラバイトと呼ばれる就労形態だ。これは主
に農場や牧場、ペンションなどの宿泊施設で行われており、それぞれ
体験就労や業務補助といったスタンスで有償で労働を行っている。
多くのケースでは労働に伴って宿泊や食事がついてくるため、表面
的な時給は低く設定されており、最低賃金を下回っていることも少な
くない。ただし、これは宿泊や食事といった現物が賃金の一部を構成
しているために可能となっているわけだ。
働く側にも有償で実際の業務を体験できるというメリットがあるこ
とは間違いないが、雇う側としては前述の現物を賃金の一部にするに
あたって、適正にその額を評価して時給を検討する必要がある。たと
えば、宿泊費や食事代を不当に高めに評価し、極端に時給を下げるな
どしていた場合には、後々労使間トラブルに発展する可能性もあるた
め注意が必要だ。
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◆「 報酬による動機付け 」◆
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人は何を目的に働くのか。人により様々であろうが、その大きな一
つとして報酬(給料や賞与等)があることは確実である。
今年の上場企業株主総会では役員の報酬額公開が大きな話題になっ
たが、大会社の戦略次第では年収1億円以上を必ずしも過大又は不当
とは思わない。
X社(不動産会社、社員20名)は創業5年になるが、初めて賞与
を出すことになった。月々の給料は、年齢や経験年数を反映した固定
給が中心である。A社長としては賞与総額1000万円をどのように
配分したら良いか非常に迷っていた。成績や資質の良否によって大き
な差を付けるべきか、それとも給料を基準にして平等に配分すべきか。
結局、A社長は月々の給料に関係なく成績や労働意欲等を基準に、
大きな差を付けて配分した。過去5年間社員の定着性を振り返ってみ
て、有能な社員が定着しなかったことが反省させられた。取り組む仕
事によって労働負担に大きな差があるが(自然に有能な社員が大きな
仕事を担当した)、収入にあまり反映されていなかった。
組織(国家・会社・学校等)が安定すると平等主義が台頭する。し
かし個々人の能力を生かし、組織をダイナミックに働かせるためには、
時として特定の人に特別大きな報酬を与えることも大変効果的である。