■■ Weekly Fax News 641 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 若年者雇用のための助成金創設(2) 」
(2)「 抜擢人事の失敗 」
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◆「 若年者雇用のための助成金創設(2) 」◆
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3年以内既卒者採用拡大奨励金と同時に創設されたのが3年以内既
卒者トライアル雇用奨励金だ。
これは卒業後も就職活動を継続中の新規学卒者(高校・大学等を卒
業後3年以内に限る)を正規雇用へ向けて育成するために、まずは有
期雇用(原則3ヶ月)で雇用し、その後、正規雇用に移行させた事業
主に支給されるものだ。対象となる事業主は、既卒者トライアル求人
をハローワークまたは新卒応援ハローワークに提出し、ハローワーク
または新卒応援ハローワークからの紹介により、原則3ヶ月間の有期
雇用として雇い入れ、その後に正規雇用で雇い入れた事業主となって
いる。対象者は平成20年3月以降の新規学卒者で就職先が未決定
(平成22年度の新規学卒者は卒業日以降であれば本制度の対象とな
る)の者で、中学、高校、高専、大学(大学院、短大を含む)、専修
学校等の新規学卒者が対象となる。卒業後安定した職業に就いた経験
がない(1年以上継続して同一の事業主に正規雇用された経験がない)
ことや年齢は40歳未満などの条件も設定されている。支給額は原則
3ヶ月の有期雇用期間中は対象者一人につき月額10万円が、有期雇
用終了後の正規雇用での雇い入れをした場合、対象者一人につき50
万円となっている。
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◆「 抜擢人事の失敗 」◆
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経営者の重要な職務に、人事権の行使がある。会社の規模が大きく
なり、上司と部下の序列がはっきりしてくると、一般に社員も出世の
階段を意識するようになる。この人事異動には、時には関係者が全く
予想しない意外な人物が登用されることもある。X社(機械部品製造
業、社員70人)のA社長の口癖は、「我が社には有能な人材がいな
い」である。4月の人事異動で昇進や配置換えを発表するが、いつも
「今年も陣容が代わり映えしない」と、不満を言った。A社長は、有
能な人物を発掘して全社員が驚くような抜擢をしてみたいと考えてい
た。こんな中、A社長の目にとまった人物が、入社5年目のB氏(2
8歳)であり、ある年の人事で経営企画課長に指名した。経理やパソ
コンに通じ、銀行取引にも慣れていた。ところが、B氏の積極的な性
格が、これまでの上司や同僚からは横暴な振る舞いと見られた。また、
課長に昇進するのは早くて入社7年以上35歳以上だったので、相当
数の先輩を追い越していた。
結局、B氏は一年後に退職してしまった。確かにB氏は有能な社員
だったが、A社長の抜擢人事が裏目に出てしまった。人事は思いつき
ではなく、経営組織の均衡を乱さないことを配慮して、社員の意思を
統一しながら進めることが肝心である。