■■ Weekly Fax News 640 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 若年者雇用のための助成金創設 」
(2)「 見学旅行の利益 」
―――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 若年者雇用のための助成金創設 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
厚生労働省の若年雇用実態調査結果によると、過去1年間に若年労
働者を採用した事業所割合は47.0%、正社員のみを採用した事業
所は21.6%、正社員以外のみを採用した事業所が15.7%、正
社員と正社員以外を両方採用した事業所が9.7%となっており、若
年者の雇用は厳しい状況となっている。
そのような状況を改善すべく、新たな助成金制度が2つ発足した。
3年以内既卒者採用拡大奨励金と3年以内既卒者トライアル雇用奨励
金だ。
3年以内既卒者採用拡大奨励金は大学等を卒業して3年以内の既卒
者で、継続して1年以上同じ事業主に正規に雇用されたことがない者
を雇った場合に100万円が支給されるというものだ。ここでいう大
学等とは大学や大学院、短大のほか、高専、専修学校も含まれる。ま
た、ハローワークまたは新卒応援ハローワークに求職登録をしている
人に限られる。平成22年度においては20年3月以降に大学等を卒
業した者が対象となる。
雇用形態は雇用期間の定めない雇用で、1週間あたりの所定労働時
間が通常の労働者と同程度、かつ30時間以上である必要がある。正
規雇用での雇入れから6ヶ月経過後に100万円が支給されるが、2
人雇用した場合でも100万円となる。
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 見学旅行の利益 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
時間と金銭に余裕ができたならば何をしたいかと問えば、多くの人
々が旅を挙げるのではなかろうか。旅の目的は多様であるが、遊びや
静養だけでなく、仕事上の出張や視察・見学を目的とする場合もある。
三木清著『人生論ノート』(新潮文庫)では、「旅の利益は単に全
く見たことのない物を初めて見ることにあるのではなく、―全く新し
いといい得るものが世の中にあるであろうか―むしろ平素自明のもの、
既知のもののように考えていたものに驚異を感じ、新たに見直すとこ
ろにある」と言う。
X社(家具製造業)では、年1回全社員が職場ごとに他社工場(X
社と異なる業種が多い)の見学、工業団地や商業集積の視察等の見学
旅行を企画する。実施した後、他の職場の人々を交えて報告会を行い、
座学による研修とは異質の利益が生まれている。
第一に、日常の仕事とは異なる集団行動をするので、職場の結束力
が高まる。第二に、目的は職場改善のヒントを探る研修会であるが、
一泊するので旅行気分も味わえる。第三に、出発前は誰も予想してい
なかったような新商品開発の着想を得ることもある。第四に、他所の
工場や各種施設を見学することによって、毎日同じ作業の繰り返しと
思っていた自己の仕事に問題意識を持つようになる。