■■ Weekly Fax News 645 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 年金受給までの空白期間 ― 埋め方検討を開始 」
(2)「 難しい道を行く 」
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◆「 年金受給までの空白期間 ― 埋め方検討を開始 」◆
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多くの企業で採用されている定年60歳制。改正高年齢者雇用安定
法の施行により継続雇用などの雇用延長措置が取り入れられるように
なったものの、法的に希望者全員を雇用延長の対象としているわけで
はなく、年金受給開始までの期間、どのように生計を立てるのかを不
安視する声も多く聞かれる。
老齢厚生年金の支給開始時期は徐々に繰り上げられていき、最終的
には65歳からの支給となることはすでに決まっているが、希望すれ
ば全員が年金受給開始年齢まで働いて賃金を得ることが可能な制度が
導入されなければ大きな社会不安要素ともなる。
厚生労働省ではこのような状況を改善すべく、定年後も希望者全員
が65歳まで働くことができる雇用政策の検討に入った。来年春に報
告書を作成する予定だ。
一方、仮に定年年齢の法的引上げや雇用延長の完全義務化などの措
置が導入されれば、企業の人件費負担は急増する上、若年労働者のポ
スト不足や待遇面の悪化も招きかねない。年金の支給開始年齢引上げ
は年金財源不足など国側の都合によって行われたのに、その結果、企
業側の負担が増えることには納得できないという経営者側の声も聞か
れており、新たな雇用政策の導入には時間がかかりそうだ。
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◆「 難しい道を行く 」◆
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公的機関の企業診断の際に聞いた話である。X社(建設業)A社長
の商売上の信念は、「この仕事は難しそうだな」と思った企画は有望
であると判断することだ。反対に、最初から「この仕事は易しそうだ
な」と思った企画にはあまり関心がない。商売上の効率性や損得では
なく、難しいと思った仕事の方が真剣に取り組めるからである。
A社長は35歳の時に建売住宅中心の建設会社を創業して30年、
信念を頼りに何とか荒波を乗り切ってきた。易しいと思って扱った仕
事が大きなトラブルになったり、反対に自社の力量からすると無理と
思うような仕事が大きな成果を生んだりした。A社長によると、難し
い仕事は利益が多く易しい仕事は利益が少ないと思った訳ではない。
物件の選択等に当たって難しそうだと思った物件は、経営者と社員が
事前の準備を十分に行い、慎重に進めることが出来る。油断しないで、
予想外のトラブルも少なくない。また、一般に他社は易しい仕事を好
むためか、余り激しい競争にはならない。
人生の岐路において、大きく分けて自己の能力に見合った平穏な道
を選ぶ人と自己の能力より上の困難な道を選ぶ人がいる。結果、どち
らが幸せになるかは分からない。要は、各人の展望(何を目標に生き
るか)の大きさによる。会社も同様に考えられる。